なぜ阪神の岡田監督は1イニング4失策でヤクルトに逆転を許しOP戦でいまだ勝ち星なしの7連敗に終わっても激怒しなかったのか?
もう秘蔵っ子ではない。 北の大地への凱旋登板で門別が存在感を示した。地元の東海大札幌出身の左腕は、その立ち上がりに先頭の細川に対してアウトローに140キロのストレートを決めて見逃しの三振、続く今川は142キロのストレートで押し込み一塁フライ、3番に入った阪口は2球で追い込み、123キロのスライダーで三球三振。昨季は1軍経験のない若手を相手にしなかった。圧巻のスタートである。 日ハムは、この日、本拠地のエスコンフィールドで今季からプロ野球のファームに参入するオイシックス新潟アルビレックスとのイースタンの教育リーグがあり、1軍メンバーの多くをそちらに送り込んでいたため、新庄監督は4番には現役ドラフトでソフトバンクから獲得した“ロマン砲”水谷を据えていた。 2回は、その水谷に109キロのスローカーブから入った。空振りを誘い、ストライクを先行させるとカウント1-2から内角にストレートをズバッ。坂本はミットを動かしていなかったが、判定はボール。さらにフルカウントからアウトコースにストレートを投じると、水谷は手が出なかったが、判定はまたしてもボール。これはボール判定もやむなしのコースだったが、内角球のボール判定を試合後の岡田監督は、「ボールなん?入っていたやろ?」と、かなり怒っていたらしい。 無死一塁の走者を出しても門別は落ち着いていた。 併殺を狙い、浅間をセカンドゴロに打ち取る。俊足の浅間が一塁に残ったが、続く元阪神の江越に対しては、低めにボールを集めてカウントを整えて、高めの釣り球でスイングアウト。スタートを切られて二塁を許し、得点圏に走者を背負うが、田宮を迎えて、冷静に目先を変えるカーブを2球続けた。 阪神OBの1人は、「あれだけ厳しいコースを突いてボールと判定されると、普通は甘めに寄るものだが変わらず厳しいコースに投げ続けた。しかもピンチでこそ時間をかけて冷静に変化球を織り交ぜる。プロ2年目とは思えぬ自信と投球術。下半身が粘れてフォームに安定感があり、球離れが遅いので、ボールが上下にぶれない。自らの特徴を把握しているのだろう」と評価した。 カウント1-2から坂本は外に構えていた。珍しく141キロのストレートは逆球となってインコースに流れ、逆方向のレフト前に弾き返された。先に1点を失うが、3回は動揺もせず三者凡退。福田に対しては、この日、最速となる150キロを示した。岡田監督はスピードガン表示で140キロ台後半が少なかったことを不思議がっていたそうだが、札幌ドームでのプロ野球開催が久しぶりでスピードガンの調整が序盤はうまくできていなかったのではないか、という話もある。 門別は、4回に先頭の今川にセンターフェンス直撃の二塁打を浴び、一死から水谷に2つ目の四球を与えたが、浅間、江越を連続でレフトフライに抑えて得点を許さなかった。4回で59球を投げ4奪三振2安打1失点。結果も内容も合格だろう。 スポーツ各紙の報道によると阪神OBでもある日ハムの新庄監督も「2回、3回といくに連れてスピードガン以上のボールのキレ(があった)」。素晴らしいピッチャーになっていくんじゃないですか」と絶賛したという。
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