一周回って今っぽい? いまの若者に乗ってほしい、オシャレな国産ユーズドカー。
手頃な値段でオシャレ、しかも他人と被らない個性的なクルマが欲しいなら、ちょっと古い日本車はどうだろう。カーデザインの現場で20年にわたり活躍してきた渕野健太郎氏がいまの若者に乗ってほしい、国産ユーズドカーを紹介する。 【写真】今こそ狙い目!オシャレな国産ユーズドカーを見る(全20枚)
デザインというのは世相を反映するので、時代ごとに「トレンド」があります。カーデザインは、他の分野に比べるとトレンドの変化が緩やかですが、数年単位で見ると明らかに変わっていますね。 今回はトレンドが1周、2周回って、特に若い人が乗ると意外とオシャレかも!? という国産のユーズドカーを紹介します。私の個人的な趣味も多いですが(笑)、クルマ選びの参考になれば嬉しいです。
「乗用SUV」黎明期のクルマたち
SUVは、現在ではもっとも主流のクルマですよね。今から40年前の80年代前半に、ラダーフレームでありながら乗用にも耐えうるデザインのクルマが出てきました。 当時は「RV」(レクリエーショナル・ビークル)と言われて、「パジェロ」や「ハイラックス・サーフ」などがたくさん走っていた記憶があります。その後、80年代後半から今のSUVと同じ、乗用車をベースとした車が数多く出てきます。 初代「RAV-4」などはその後のクルマを決定づける存在でしたね。今回は初期の「乗用SUV」から、デザイン的に私が良いと思っている2台を紹介します。
トヨタ スプリンターカリブ(2代目)
このクルマのリアスタイルは、私が子供の頃、変わったカタチだけど良いなと思っていました。セダン(スプリンター)をベースにしたサイドガラスの傾きで屋根を高くしているので、かなりの台形シルエットなのですが、これを上手く使ってリアのデザインに取り入れています。 顔まわりも逆スラント気味のランプ、グリル周りがたくましく見えていました。今見るといかにも80年代的な、直線で構成されるデザインが新鮮だと思いますね。
三菱 RVR(初代)
実はこのクルマのリアドア、スライドドアなんです(片方だけですが)。私は今の時代に、このようなスライドドアのコンパクトSUVがあったらすごく良いと思ってるんですよ。スライイドドアの機構上、豊かな造形はできづらいんですけどね。 このクルマはハイトワゴン的シルエットなのですが、アウトドアフィールな仕立てになっており、趣味性を感じさせるのがうまいですね。また超ロングスライドができるのリアシートは、さまざまなニーズに重宝されそうです。