【有馬記念】ダノンデサイル 迫力満点ラスト1F11秒6 安田師「好きなように走らせた」
話題満載のグランプリ「第69回有馬記念」はラストランのドウデュースを含む3世代ダービー馬の激突が見どころの一つ。18日、東西トレセンで出走予定馬が追い切り、今年のダービー馬ダノンデサイルは栗東CWコース単走で迫力満点の動きを見せた。初対戦の古馬にぶつかっていく。21年ダービー馬シャフリヤールも元気いっぱいだ。栗東芝コース単走で軽快なフットワーク。6歳でも、いい意味で若い。米遠征から帰国後、検疫と放牧を挟み、態勢はきっちり整っている。 まだ3歳とはいえ、キャリアを積んだ古馬のような風格がある。ダービー馬ダノンデサイルは安田師を背にCWコースへ。雄大で金色に輝く馬体が、さっそうと駆け抜けた。道中はスピードをコントロールしながら直線、勢い良く伸びて6F83秒2~1F11秒6。ダイナミックなフォームで、ラスト1Fは楽々と好時計を出してみせた。 稽古をつけた安田師は「元々、時計が出て、メリハリのつく馬。先週の時点で馬もレースが近いのを感じ取っていたので、オーバーワークを避けるのを前提に、ストレスを与えずに好きなように走らせました」と意図を明かした。 11日の1週前追いは横山典を背にCWコース馬なりで6F82秒5~1F11秒1。ラスト1Fの時計だけで言えば同日に最速タイムをマークしたドウデュースと0秒1差に迫り、充実ぶりがうかがえる。最後のひと追いは自然体の走りを意識しつつ、リズム良く大一番に臨めるような調整。仕上がりは申し分ない。 2冠制覇がかかった前走菊花賞は6着。「結果を受け入れて」と前を向く。勝負どころで前の馬が下がってくるシーンもあり、ポジションを下げるなど厳しい展開にもなった。それでも最後は外に持ち出し、メンバー2位の上がり3F35秒5を計時。結果こそ出なかったが、しまいは脚を使っている。 前走後はいったん放牧を挟み、馬体の回復に努めて先月中旬に帰厩。「1回使って闘争心が完全にオフにはなっていなかったので、精神面を重視して調整してきた」と馬と向き合い、最善を尽くした。「今までに経験したことのないタフなレースになると思う。対応できる準備はできているので、ダノンデサイルの雰囲気だけを求めていければ」と当日ベストの状態で送り出すことに集中する。年明けに中山で京成杯V。距離は違うが実績あるコースで同世代のライバル、初対戦の古馬に真っ向勝負を挑む。