70歳の母親に「200万円のへそくり」が発覚!「死んだら家族で分けて」とのことだけど、死後の贈与だと「損」になるでしょうか?
今回はある仲の良い家庭からの相談です。家族全員で夕食を楽しんでいると、急に同居の70歳の母親が200万円ほどへそくりがあると言いだし、家族は全員驚きました。よく聞くタンス預金です。 母はただ堅実にお金をためていただけで現時点では特に使い道もないとのことです。また贈与や相続については全く知識がない状態です。そんな家庭の相談内容としては「死ぬまで贈与しない」ことが損になるか? というものです。本記事では、へそくり・タンス預金と税金面について解説します。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
生前贈与、死因贈与で「違い」はある?
今回のケースの200万円は、どのタイミングで他者に渡るかで税金面に違いがあります。具体的には生前贈与と死因贈与、相続になります。 生前贈与とは、生きているうちに財産を渡すことです。中でも暦年贈与は1年間での贈与額が110万円以下なら非課税になります。 ほかにも、日常生活の費用とみなされる場合は贈与税がかからない財産とみなされる場合があり、また、教育資金一括贈与により令和8年3月31日まで1500万円まで教育費が非課税になる場合や、住宅の取得にも非課税になる場合があります。 死因贈与とは、贈与者と受贈者の合意(契約)に基づき贈与者が死亡したときに贈与の効力が生じる法律行為で、相続税の課税対象になります。相続税には基礎控除があり、3000万円+(600万円×法定相続人の数)で計算されます。 ほかにも死因贈与と似たものに遺贈があります。遺贈は、遺言書により自分が死んだ場合の財産を渡す方法を示すもので、相続税の対象になります。このようにタイミングによって税金面に違いが生じます。
高齢者のタンス預金やへそくりのリスクと注意点
続いてタンス預金のメリット・デメリット、リスクと注意点について、それぞれ紹介します。 メリット ・いつでも使える ・相続時の銀行口座凍結の対象にならない ・利子がつかないため、税金がかからない デメリット ・利息が付かない ・インフレに弱い ・災害、盗難により失われる可能性がある ・保管場所を失念する ・相続トラブル このように、タンス預金にはメリットがあるものの、デメリット面も目立ち、特に保管に関わる事と、贈与・相続のトラブルは家族関係において大きなリスクになりえますので注意が必要です。