第93回選抜高校野球 京都国際、きょう2回戦 「共通の時間短くても」 副主将・加藤蒼捕手 /京都
<センバツ2021> ◇副主将・加藤蒼(あおし)捕手(3年) 兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開催中の第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社など主催)に出場している、京都国際の部員全40人のうち39人は、学校(京都市東山区)の敷地内にある寮で寝食を共にする。唯一、宇治市内の自宅から通うのが、副主将の加藤蒼(あおし)捕手(3年)だ。【中島怜子】 通いを選択したのは、強豪・近江の主戦だった7歳年上の兄颯さんの存在がある。寮に入らず、自宅から滋賀県彦根市の学校まで電車で通学し、甲子園を目指していた兄の背中を追いながら「自宅からの通いでも野球はできる」と決断した。 寮住まいの選手たちは共に過ごす時間が長く、その輪に入れるのか、入学直後は不安もあった。実際は仲良くなるのに特別なきっかけは要らず、杞憂(きゆう)に終わった。「いつごろから仲良くなったのかは覚えていない。それほど、打ち解けるのはすぐだった」。2020年秋の公式戦はベンチ入り。21年3月に同県であった滋賀学園との練習試合では、ダブルヘッダーの2試合目で指名打者として先発し、途中からは捕手としてもマスクをかぶった。 24日のセンバツ初戦はブルペン捕手として継投を控える投手の球を受け、マウンドに送り出した。「後輩の森下(瑠大(りゅうだい))、平野(順大(じゅんた))の両エースが、どれだけリラックスしてマウンドに立てるかが大事。球を受けるだけでなく、声の掛け方も意識している」。一緒に過ごせる時間が短くても、チームメートを観察する目に狂いはない。小牧憲継監督も「投手の状態を見極めて的確なアドバイスを出せる」と信頼を寄せる。 「これまで何度か甲子園の試合を見てきて、好きになったチームもあった。でも、一番好きなのは京都国際」と言い切る。寮生であれ、通いであれ、共に過ごした日々の絆の強さに変わりはない。 京都国際は大会第8日の27日、第2試合(午前11時40分開始予定)で東海大菅生(東京)との2回戦に臨む。 〔京都版〕