MIXI、モンストの次の柱はスポーツ。「ソーシャルベッティング」で民主化目指す
豪州ベッティング市場への進出 勝算は?
──オーストラリアのベッティング市場への進出も果たされました。こちらも狙いと経緯をお聞かせください。 木村:世界のスポーツベッティング市場のビジネスモデルや法規制について研究する中で、新たにライセンスを発行している国があるのがわかったんです。 日本でスポーツベッティングの解禁を目指すだけではなくて、海外でもTIPSTARののっかりベットのような私たちの「ソーシャルベッティング」というビジネスモデルが提供できるんじゃないかと考え、まずはオーストラリアのライセンスを取りに行ったらどうかと進出を決めました。 そして、連結子会社の現地法人が日系企業として初めてベッティングライセンスを取得し、ベッティングサービス「betM(ベットエム) 」をリリースしました。また、これを機に、公営競技事業と呼んできた事業名称を「ベッティング事業」に改めることにもしました。 オーストラリアの市場には非常に期待をしています。 ちょうど日本の公営競技と同じぐらいの6~7兆円ほどの流通規模があるんですね。日本と同じように競馬などレースコンテンツの人気も高いということで、私たちが公営競技で培ってきたノウハウも十分活かしていけるのではないかと考えています。 そして、とにかくスポーツに対する愛着が強い国民性、カルチャーがあります。 例えばオーストラリア最大の競馬レース「メルボルンカップ」の日は州の祝日になっていて、みんなおしゃれして出かけて、ベッティングに興じて、街中が盛り上がります。 中にはレースそっちのけで飲んだり食べたりワイワイ楽しんでいる若者たちもいたりして、オーストラリアの人たちにとってスポーツは、生活の中に非常になじんでいる社交、コミュニケーションの場として、すごく重要な役割を果たしています。 ですので、オンラインでのソーシャルベッティングもきっと喜んでもらえるんじゃないかなと思っています。 ──そうしたカルチャーを日本でも広めたいと。 木村:はい、そう思っています。私は経済同友会の「スポーツとアートによる社会の再生委員会」の委員長もやっているのですが、日本でスポーツを難しくさせているものの一つに教育としてのスポーツ、体育の思想が相当強いということがあると感じています。 例えばオーストラリアや欧米のようにポジティブに楽しもうというよりも、運動させられている...は言い過ぎかもしれませんが、教育や健康のためにやらなければいけないものといった面が強すぎはしないかと思っているんですね。 もっと楽しいもの、誰でも参加して気軽に盛り上がれるものになっていくと、自然とカルチャーとして広まっていくのではないでしょうか。