スーパーチューズデー迎えたアメリカ大統領選 バイデン再選の鍵はニューヨークZ世代の“若者表”次第?
◆声が届いていない失望が“バイデン離れ”を加速させる
現職のバイデンはマイナス要因が多く、好転の兆しが見えません。圧倒的にバイデン支持だった人種的マイノリティが、共和党とトランプに傾いているのではないかとラボメンバーも推測していました。 では、どうすればニューヨークのZ世代はバイデンに投票したくなるのでしょうか? 自分たちが大統領に望むことは何か、本音を聞いてみます。 メアリー:軍事予算を減らし、社会問題対策や社会保障にお金を使ってほしい。富裕層への税金を増やし、税金逃れをする彼らを追い込むためにも、国税局の予算ももっと増やすべきだと思う。 ノエ:その通りだね。ホームレスの解決や貧困層の支援、社会問題対策や社会保障の充実など、みんながもっとも重要だと思っていることが、なぜ優先的に議論されないのか、それもちょっと変だよね。 ヒカル:僕にとって重要なのは、自分の安全だよ。銃規制をしっかりしてほしい。大規模な銃乱射事件に巻き込まれたくないからね。このあいだもオフィス近くのタイムズスクエアで銃撃があったし、スーパーボウルのあと、カンザスシティの優勝パレードでも銃撃が起きたよね。すごく身近なものに感じたよ。 ノエ:投票するほうがしないよりはいいのは明らか。だから、僕は投票したい。でもさ……バイデンは本当に人気がないんだよ。まったく魅力を感じないんだ。とはいえ、もちろんバイデンを選ぶよ。現職の大統領だからね。 民主党は、新しい候補者よりも彼を立てたほうがいい。現職が選挙に勝つ確率は、新しい候補者よりもずっと高いから。でも正直に言って、バイデンはまったく理想の候補者ではない。でも、トランプも理想的とは言い難い。バイデンのほうがトランプよりもいいと思うけれど、それほど大きな差はないよ。 ヒカル:知ってる? ミシェル・オバマが大統領選に立候補するという噂もあるんだよ。 ノエ:そうなったら民主党支持者の多くは即座にバイデンではなく彼女を支持するだろうね。 バラク・オバマの妻で、アメリカ合衆国史上初のアフリカ系アメリカ人のファーストレディであるミシェル・オバマ。彼女が立候補するのではないかと荒唐無稽な噂が飛び交うほど、選挙戦は混迷を極めています。 ラボのZ世代が大統領に求めることは、軍事予算の削減、社会問題の解決や社会保障の充実、銃規制の強化、税金逃れの取り締まり強化など。いずれも主に民主党支持者が求めるリベラルな考え方ですが、アメリカZ世代はリベラル寄りの人が多いです。 Z世代の半数近くは人種的マイノリティというダイバーシティ溢れる世代。弱い立場の人を大切にする政治を重視し、前の世代よりも政治的な行動力があり、投票率も高いです。そんな若者票は、2020年にバイデンを当選に導いた要因の1つと言えます。 ところが、Z世代が聞きたかった声明やメッセージが、民主党からもバイデンからもいまだに聞こえてきません。自分たちの声がまったく届いていないことが、彼らの幻滅感を増幅させているのは間違いないでしょう。シェリーは「(苦しい現状を)しょうがないと思ってはダメなんですよ。政治の責任ですから、バイデンが責められるのは仕方がないんです。日本もそういう考え方を持ったほうがいいと思います」と話し、話題を締めくくりました。 (interfm「sensor」2024年3月8日(金)放送より)