衆院選大敗なのに…石破首相が続投するの2つの理由 青山和弘氏「代わったとしてもまた少数与党」
元日本テレビで政治ジャーナリストの青山和弘氏が3日、ABEMA「ABEMA的ニュースショー」(日曜正午)に生出演し、衆院選大敗を受けて揺れる自民党内の事情を解説した。 【写真】落選に、目を真っ赤にして敗戦の弁を述べる丸川珠代氏 衆院選では自民と連立政権を組む公明党とで過半数(233議席)を割り込む215議席にとどまり、これまでのような政権運営が困難になった。自民は国民民主党、日本維新の会に連立与党入りを持ちかけているが、固辞されている。 石破茂新政権が発足後、1カ月足らずで解散総選挙に踏み切ったことについて、青山氏は「石破さんが総裁になったのは自民党の論理でなったわけで、国民の信を得たわけじゃない。だから総裁に選ばれたら、すぐを選挙やると」と解説し、「一種の懸けに出たわけです」と続けた。ところが、その作戦は裏目に。「その結果どうだったか?懸けに負けて、信任を得られなかった。常識的には退陣です。総理大臣として認められなかったんだから、政権運営ができないんですよ」と指摘した。 しかし、党内で石破降ろしは大きな動きにはなっておらず、石破首相は続投の方向だ。青山氏は「2つの事情で続けている」と前置き。「自民党内の事情で言うと、今誰かに、たとえば高市(早苗)さんなり、林(芳正)官房長官だろうが、代わったとしても、また少数与党なんですよ。過半数を持っていない。その人が内閣不信任案を突きつけられる対象に変わるだけで、同じような連立工作とか、国民民主党と話し合いとか、新しい総理がやらないといけない。つまり、どうせまた苦労しなきゃいけない」と、首のすげ替えでは事態が好転しない現状があると解説した。さらに「石破さんにある程度まで、たとえば来年度予算の成立までやってもらって退陣してもらっても、遅くはない。そこまで責任を取って欲しい」と、党の思惑を指摘した。 青山氏は「石破さん本人が続けたいんですよ」と、もう一つの理由を挙げた。「(総裁選に)4回挑戦して、5回目でようやくなった。1カ月で辞めるのは本人自体が忍びないと。全然辞めたいと思っていない」。さらに「森山(裕)幹事長も辞めたいと思っていない。みんなで頑張ろう、頑張ろうという執行部の雰囲気なんです」という。党幹部では小泉進次郎氏が、選挙大敗の責任を取って、選対委員長を辞任した。青山氏は「小泉さんだけが、そういうわけにはいかないと出て行った」と説明した。