10年の休眠を経てシングルナンバーで路上復帰! 激レアいすゞ「ベレットGT」のファストバックに34年…2年がかりでリフレッシュ!!
ベレットGTに設定されていたファストバックはハンドメイドの超貴重モデル
2024年10月20日に埼玉県川島町役場にて今年で4回目となる「昭和平成なつかしオールドカー展示会」が開催され、300台を超えるクラシックカーが集結しました。そんな会場で見つけた気になる車両とオーナーをピックアップ。今回は非常に珍しい、いすゞ「ベレットGT」のファストバックモデルを紹介します。 【画像】鮮やかなオレンジメタリックが輝く! 超レアなファストバックモデルのいすゞ「ベレットGT」を見る(14枚)
知らずに偶然手に入れた激レアモデル
会場で見つけたのが、「練馬5」のライセンスを掲げた非常に珍しい、いすゞ「ベレットGT」のファストバック。イベントなどでもほとんど見ることのない激レアモデルだ。オーナーの黒川さんに話を伺ってみた。 「新車から1年落ちで購入しました。ベレットGTを探してもらっていたら、知り合いのクルマ屋にこのクルマがあって『これもGTだから』と言われて入手しました。購入当初はファストバックが貴重なモデルというのはあんまり理解していなくて、すごいクルマだというのは後になって知りました。シリアルナンバーから推測するに、かなり初期の生産モデルだと思います。入手してからしばらく乗ってたんですが、その後乗らなくなり、車庫に入れっぱなしになってました」
ベレGのファストバックは受注生産&ハンドメイドの希少モデル
1964年にベレットのスペシャルモデルとして登場したベレットGT。1967年末にリリースされたのが、ファストバックモデルだ。2ドアクーペよりもさらに傾斜したリアガラスを持ち、通常モデルは外ヒンジとなるリアトランクは内側に設定され、専用形状を持つ。 車体後部は「117クーペ」同様に最終仕上げをハンドメイドで行なっており、受注生産という販売形態が採用された。そのため生産数も少なく、おおよそ350台程度しか生産されなかったといわれている。またテールランプもファストバック専用の丸型3連タイプとなるのも特徴だ。黒川さんの所有する個体はシリアルナンバー43ということで、おそらく1967年末から1968年初頭に生産された個体と思われる。
10年の休眠期間を経て苦労の末「練馬5」ナンバーのまま復活
車庫で眠りについてからおおよそ10年が経過した頃、黒川さんは直して乗ろうと作業を開始。まずは2年がりで機関や足まわりをリフレッシュし、たまっていた税金を払うことで「練馬5」ナンバーを活かして車検を取得。その後エンジンを下ろした状態で1年半かけて鈑金屋でボディをレストアし、鮮やかなオレンジメタリックでリペイント。膨大な時間がかかったが、見事路上復帰を果たしたのだ。 外観上のカスタムポイントとしては、ホイールを13インチのHEROS RACINGのメッシュに交換し、フロントグリルをカットしてスクエアなフォグを装着している。インテリアは「ベレットGTR」のメーターやハイバックシートに交換している。 ちなみにエンジンは、よりパワーがあると勧められて、オリジナルのG160型(1.6L OHVで88psを発生)から同じ1.6LでOHVの1970年式に搭載されていたG161型に乗せ替えられている。このエンジンはSUツインキャブとの組み合わせで、103psを発生。現代の路上でも快適なドライブが可能となっている。
勝村大輔
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