世界フィギュアで宇野を苦しめるシューズの新調問題のなぜ?
フィギュアスケートの世界選手権の男子シングルスのフリースケーティングが今日24日、イタリア・ミラノで行われる。平昌五輪銀メダリストの宇野昌磨(20、トヨタ自動車)は右足の甲を痛めた影響からSPのプログラムの難易度を落としたがミスも出て5位発進。今日24日のフリーでは来年埼玉で開催される世界選手権の出場枠「3」を死守するため、プログラムを平昌五輪バージョンの4回転を3種類4本に戻して勝負する考えでいる。 今回、宇野が右足甲を痛めた原因は、五輪後に新調した新しいシューズが合わなかったこと、とされている。20日の公式練習ではジャンプが跳べず一人で歩けなかったほど。SPでは右足の負担を減らすためにプログラムの難易度を下げて挑んだが、それが裏目に出た。 宇野は、痛み止めを服用して試合に臨み、懸念されている怪我について「大丈夫です。集中力と、アドレナリンが出たことで、あまり痛みもなく周りの方のサポートもあって問題ない状態で取り組むことができた。足的には痛くなかった」と説明しているが、フリーの公式練習では4回転ループでの失敗が続くなど不安は残っている。 そもそもシューズの新調で足を痛めたり、ジャンプの感覚がおかしくなったりするものなのか。 現役時代に4回転の先駆者だった元全日本2位の中庭健介氏も新しいシューズが足に合わず調子を崩した経験があるという。 「不思議なのですが、品質、サイズ、種類、ブレードの位置もすべてがまるっきり同じでも、感覚がどうも合わなくてしっくりとこない事があるのです。ジャンプは精密さが求められますので、スケート靴の反発力や滑っているバランス感覚など、合う、合わないの影響はかなり大きいのです。また、合わない事から足に負担がかかり、痛みなどが出る事も少なくありません。4回転の練習は足への負担が大きいので、宇野選手も合わないシューズで踏み切りを繰り返した結果、いつもと違う部分に負担がかかり、足の甲を痛めてしまったのかもしれません。昨今かなり開発や進化が進んでいるスケート靴ですが、シューズは革や強化プラスチックで、できていて、その材質などの微妙な違いがシューズの感覚の違いにつながっているのかもしれません」 宇野のシューズは、ブレードの位置を少し外側にずらして設置している特製品だけに、なおさら繊細な感覚にずれが生じて、右足甲の痛みにつながってしまったのかもしれない。