【まもなく打ち上げ】「カイロス2号機」きょう午前11時に発射へ 前日は「強風」で延期に「1号機」の爆発から9か月…『国内初の民間単独』での軌道投入成功となるか
和歌山県串本町から発射する民間の小型ロケット「カイロス」2号機がこの後、午前11時に打ち上げられます。前日は風の影響で延期となりました。1号機は打ち上げから5秒で爆発、9か月を経ての再挑戦でリベンジとなるのでしょうか。 【LIVE】ロケット打ち上げの様子を生配信中
14日の発射は「風の影響」で延期に
宇宙ベンチャー企業「スペースワン」が開発した小型ロケット「カイロス」。初号機は、幾多の苦難を乗り越え、今年3月、和歌山県串本町にあるロケット発射場からの打ち上げを多くの人が見守りました。 しかし、打ち上げからわずか5秒、カイロスは空中で爆発。初号機の打ち上げは失敗に終わりました。初号機には人工衛星を搭載していて、軌道投入が成功すれば国内初となる民間単独の打ち上げとなるはずでした。 2号機は当初14日午前11時に打ち上げられる予定でしたが、14日午前10時半ごろ、打ち上げの延期を発表。スペースワンによりますと、ロケットや発射設備自体に問題はなかったということですが、発射場上空高度10km以上の風が強く、ロケットの打ち上げに適さないと判断したということです。
スペースワン取締役「1号機のような事態にはならない」
2号機の発射を前に「スペースワン」の遠藤取締役は次のように意気込みを語りました。 (スペースワン 遠藤守取締役)「前回の打ち上げ5秒で破壊するという事態になったわけですが、あのような事態はないと思っております。燃焼速度を予測するという手順で若干の差異が生じていた。燃焼速度の予測値を見直していますので、打ち上げができるようになったと思います」 初号機は打ち上げ後の速度が予測よりも遅く、安全な飛行範囲を外れてしまいました。そのためロケットが異常と感知し、自らを爆発させました。そこで2号機は速度の予測を改良したといいます。
ロケットに搭載の衛星は5基「仏像」納めた衛星も
搭載される衛星は5基ということですが、公表されているのは次の4つの衛星だということです。 ▼Taiwan Space Agency ▼東京・広尾学園中学・高校の生徒が開発した光通信衛星 ▼ベンチャー企業「テラスペース」が開発した衛星 ▼「SpaceCubics」が開発した衛星 そのうちの一つが、京都のお寺などが打ち上げる衛星。衛星上部には仏像「大日如来」がおさめられ、世界初の宇宙寺院「浄天院劫蘊寺(じょうてんいんごううんじ)」をつくろうというのです。宇宙寺院は約1時間半かけて地球を1周。位置情報をスマホで確認しながら参拝をするというものです。 (浄天院劫蘊寺 仲田順英住職)「日本人のいい祈りの世界が世界に向けて、これによって発信できればいいなと」
カイロスは和歌山県串本町の発射場から打ち上げられた後、次の流れでカイロスのロケットや衛星が切り離される予定だということです。 ▼約2分28秒後、ロケットの1段目が燃焼を終え切り離し ▼約2分55秒後、「フェアリング(人工衛星を覆うカバー)」を切り離し ▼約4分40秒後、ロケットの2段目が燃焼を終え切り離し ▼約7分50秒後に、ロケットの3段目が切り離し ▼約53分35秒後、1つ目の衛星を高度500キロ付近で分離し順次他の衛星も切り離し ▼約54分1秒後、京都のベンチャー企業が開発した人工衛星を最後に分離予定