学生が高齢者向けのかるた制作 読み札にフレイル予防のヒント
大阪樟蔭女子大学(東大阪市)の学生が、高齢者向けのかるたを制作した。読み札には、年を重ね体が衰え始める「フレイル」を予防するヒントが詰まっている。日本医学会連合のキャッチフレーズ「80歳まで自分の足で歩こう」にちなみ、「80GO(はちまるゴー)かるた」と名付けた。 コロナをきっかけに自宅に引きこもったままの高齢者を再び地域の集まりなどの場に呼び戻そうと、管理栄養士を目指して学んでいる9人が考案。クラウドファンディングで約200万円の資金を集めて作った。 かるたは縦13センチ、横9・5センチと一般のかるたより大きめだ。読み札には「し 食事どき 増えてませんか むせこぼし」「り リズミカル 毎朝元気に ラジオ体操」「う 嬉(うれ)しいな 友とのふれあい わいわいと」など、フレイル予防に大切な「栄養」「運動」「社会とのつながり」について書かれている。取り札に描かれているほのぼのタッチの絵も学生が手がけた。 香芝市関屋北の山下純子さん(74)方では17日、70~85歳の女性6人がこのかるたを使って「かるた大会」をした。読み札が読み上げられると、無理な姿勢をとらずにすむよう専用の取り棒を使ってかるたを押さえ、取り合った。岡尚子さん(85)は「気の置けない仲間と遊びながらいろいろな知恵がつく。ためになる」と楽しそうだった。 学生を指導した井尻吉信教授(47)は「読み札に書かれていることを日々実践するのもよい。孫ら家族との交流にも活用してもらえれば」と話している。 かるたは、取り棒が4本付いて1000円(税込み)で販売中。限定400個。問い合わせは樟蔭エンタープライズ(06・6723・2155)へ。【松田学】