台湾中銀、インフレ状況見極め利下げ判断へ=総裁
[台北 6日 ロイター] - 台湾中央銀行の楊金龍総裁は6日、利下げすべきかどうかを判断する上でインフレ動向が重要になると述べた。中銀は次回政策会合を13日に開催する。 楊総裁は議会での質問に対して、台湾の政策金利は15年半ぶり高水準にあると述べた。 米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利下げを行うとの観測が高まっていることは認識しているとしたが、FRBに追随するとの姿勢は示さず、「金利を引き下げるかどうかはインフレ状況次第だ」と述べた。 「米国の金利は高水準で推移しているが、われわれの状況は異なる」とも述べた。 一方、確約はしなかったが、現段階では追加利上げの可能性は低いとの見方を示した。 「3月の利上げは予想外のサプライズだったかもしれない。このようなサプライズが頻繁に起こるのは良いことではない」とした。 台湾の4月の消費者物価指数は前年比1.95%上昇し、アナリスト予想を下回った。政府はインフレが緩やかに緩和していると指摘する。 中銀は3月に予想外の利上げを行った。インフレ圧力の継続と4月に見込まれる電気料金の値上げへの警戒感を示し、政策金利を1.875%から2%に引き上げた。 台湾主計総処は先週、今年の域内総生産(GDP)見通しを2月時点の3.43%増から3.94%増に引き上げた。世界的な人工知能(AI)関連の需要拡大と堅調な消費が追い風となると見込んだ。