通行止めず床版改修…鹿島が実工事に初導入、現場打ち新工法の効果
鹿島は超高性能繊維補強セメント系複合材料(UHPFRC)を用いた道路橋床版のリニューアル工法を、高速道路を供用しながら行う大規模改良工事に国内で初めて導入した。専用の施工機械とともに「長野自動車道(特定更新等)岡谷高架橋改良工事」(長野県岡谷市)に導入し、高速道路を通行止めせずにUHPFRCを約8時間で128メートル施工した。 導入したリニューアル工法は、プレストレストコンクリート箱桁橋(PC箱桁橋)の床版上面コンクリートの劣化部を除去した後、その上面にUHPFRCを打ち込み一体化させることで、舗装を含む厚さを現況と変えずに床版を高耐久化する。2020年に中日本高速道路と共同開発した。橋梁(きょうりょう)上部構造の重量がほとんど変わらないため、下部構造の補強を最小限に抑えられる。 UHPFRCを用いた現場打ちによる補修・補強技術は、高速道路のリニューアルに大きく寄与することが期待される。鹿島はコンクリート床版上面の打ち替えに加えて、鋼床版の増厚や橋脚の巻立てなどさまざまな工事への導入に向け研究開発を進めていく考え。