名門・早大15年ぶり総合Vの現実味は?カギ握る〝スーパールーキー〟【検証・箱根駅伝#4】
正月の風物詩として今年も注目を集めた東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)で、話題となった各校を検証する短期連載全6回の4回目は早大を取り上げる。 13回の総合優勝を誇る早大は7年ぶりのトップ5入りとなる総合4位に食い込み〝名門復活〟のたしかな兆しを見せた。 往路で1区の間瀬田純平(3年)が4位、3区の山口竣平(1年)が区間3位と好走。そして5区で〝山の名探偵〟と脚光を浴びた工藤慎作(2年)が区間2位の力走で、チームを往路3位に押し上げた。 復路では国学院大に逆転されたが堂々の4位。花田勝彦監督(53)は「〝うれしい4位〟じゃなくて、みんなが悔しいと思えるところまでチームが上がってきたのは成長を感じる内容だった」と強豪の一角に食い込める手ごたえを口にした。 その上で、2011年大会以来遠ざかっている総合優勝に向けて「優勝争いをするためには(選手が)どんな状況でも、自分で判断して走れなきゃいけない。10区間で運営管理車から監督が選手を励ますけど、私の理想は何もアドバイスせずに、ただ見ているだけというか。そういう選手が10人いるのが理想」とVチームの条件を挙げる。そして早大の現状は「半分はそろったので。その半分をこれからの1年でつくっていきたい」。今後の強化次第で来季15年ぶりのV奪回は十分可能というわけだ。 その根拠は〝スーパールーキー〟たちの加入だ。4月には、昨年末の全国高校駅伝1区で日本人最高タイムで区間賞を獲得した鈴木琉胤(るい、千葉・八千代松陰)や、3区区間賞の佐々木哲(長野・佐久長聖)など超有望株が入学する。伸びしろは無限大の早大が打倒・青学大の筆頭候補になってもおかしくない。
加田晃啓