『室井慎次』森下の泣ける名シーンに衝撃事実 遠山俊也が明かす室井との再会秘話
“人間・室井慎次”を楽しめる
ただ、柳葉の姿と芝居が感情を引き出してくれたのは間違いないのだという。「自分で勝手に作った感情なんてまったくなくて。台本を読んだときにもいいシーンだとは思いましたけど、柳葉さんのお顔を見たときに出てきたのは、それよりもさらに深い感情でした。柳葉さんは、同じ空間にいらっしゃるだけでこっちの背筋が伸びる方です。先輩俳優はたくさんいらっしゃいますが、僕はそんな俳優さんは数えるくらいしか知らない。そのうちのお1人です」と明かす。さらに「僕がお会いするのはほぼ『踊る』の現場だけですから、やっぱり『柳葉さんだ』というより『室井さんだ』という感覚が強くて。100%の柳葉さんとして見ることはほとんどないです」と素直な心情を吐露した。 「踊る」の魅力については「ディティールがすごい細かいところだと思います」と語った。「全部がつながっていて、それこそ今回みたいに27年前の伏線をちゃんと回収する。だから、最初からのファンの方もしっかり楽しめるんだと思います。もちろん、『敗れざる者』から観る方でも、ちゃんとわかるように作られていますしね」と解説する。そして、それを踏まえた上で「それにしても、今回はこれまでと違う感触でした」と『室井慎次』2作品の特色を挙げる。「『踊る』は、すみれ(恩田すみれ/深津絵里)さんの一連の事件みたいな、警察としてのトラウマがある場合以外、個人の恋愛や家庭事情とか私生活はほとんど描きませんでした。それが、今回は室井さんが人間になっている(笑)。“人間・室井慎次”を楽しめるのは、違う意味で魅力的です」と『敗れざる者』と続く『室井慎次 生き続ける者』をアピールしていた。(取材・文:早川あゆみ)
『室井慎次 敗れざる者』全国公開中 『室井慎次 生き続ける者』11月15日(金)全国公開