「塾なし組」でも十分に合格可能な入試方法も、大学附属校は「高校からが狙い目」な4つの理由とは
ただし、ここまでは一般入試に向けた「学力」の到達可能範囲の話です。MARCHの附属校や中堅私大附属校は、推薦入試や書類選考と呼ばれる、中学校の内申点を考慮する入試の割合が増します。 また、一般入試においても、中央大杉並のように内申点を考慮する学校や、明大八王子のように内申基準のある推薦入試の出願者には、一般入試で加点措置を行う学校があります。そうなると、「実力養成ルート」の優位性は減り、「中学準拠ルート」が盛り返します。
3科目入試の大学附属校は「2勝1分」が合格の目安です。これは、3科目のうち2科目で高得点を狙い、残り1科目で少なくとも「引き分け」の成績を保つという意味です。 英語と数学を得意科目とすることが王道の戦略です。第1章で示したように、小学生の段階から本格的な英語学習を開始し、小学校算数を「図形」や「割合・比」まで丁寧に仕上げてあると下地作りとして十分でしょう。 たとえば、帰国生で英語が得意なら、英語で「1勝」が確定しているので、あとは数学か国語のどちらかを勝てる科目に仕上げ、残りの1科目で負けない状態にすることを目標にしましょう。
早慶附属校のレベルになると、英語はどの受験生も高いレベルで仕上がっていて当たり前で、数学の出来が合否を分けています。 3科目入試とはいえ、早いうちから理科や社会を捨てるのは得策ではありません。 ■早慶附属は「駿台テスト」の偏差値が指標になる 早慶附属校に向けた学習の指標となるものが、駿台教育センターが主催する「駿台中学生テスト」です。「実力養成ルート」の受験生が主体の難度の高い模試で、早慶附属校ほか、開成や渋谷幕張、日比谷の合格者の過半数が受けています。
VもぎやWもぎといった一般的な模試よりも母集団の学力が高く、偏差値は低く出る傾向にあります。VもぎやWもぎで偏差値70を超えていても、駿台では50しか取れないこともあります。 駿台の偏差値表で合格可能性80%ラインは、男子で早慶附属は65ぐらいに設定されています。しかし、実際の合格者はというと、50台後半ぐらいあれば、合格を勝ち取れる可能性が出てきます。 女子についてはもう少しハードルが高く、60を超えてくると合格は現実味を増します(女子のハードルが高いのは中学受験でも同様の傾向です。高校受験特有の問題ではありません)。