「怖くて聞けない」親のお金事情…自分の将来のためにも重要「親のキャッシュフロー表」作成のすすめ
帰省したら通販の家電がいくつも…親の「お金の不安」を「課題」に変える
コロナ禍だったこともあり、しばらくぶりの帰省となった人も多いだろう。 実家に帰りあらためて見てみると、防災・防犯、電話による勧誘や詐欺、家の中の段差やヒートショックが起きそうな風呂場…、高齢者の暮らしはリスクだらけだ。身体や認知の機能低下も気になる。テレビショッピングでよく見かける掃除家電がいくつもあったという人もいるかもしれない。そこで心配になるのが、「親の懐」事情だ。 【実家が…】「揺れた瞬間不吉な予感が」…本誌カメラマンが壮絶体験「ルポ能登大地震」家屋全壊の生々しい被害写真 ファイナンシャルプランナーの大石泉さんは、高齢社会の時代、「親世帯のキャッシュフロー表」の作成を推奨している。 ―――――――――――――――――――――- 貴方は、ご自身のキャッシュフロー表を作成したことがあるだろうか。 キャッシュフロー表は財務諸表の一つだが、ライフプランにおけるキャッシュフロー表は、将来にわたる収入と支出・収支・金融資産残高の予想額を表にして、その推移を一覧できるようにしたもの。 キャッシュフロー表を作成すると、将来の経済状況が“見える化”される。例えば、現在の収入と支出が継続する前提で、100歳時の金融資産残高も一目瞭然。足りるのか足りないのかがわかるのだ。 「転職したら?」「子どもが留学したら?」「リフォームしたら?」など、前提を変えれば様々なパターンの試算が可能となる。 キャッシュフロー表作成にあたって必要なのが、家計の把握と前述した「前提」。前提とは、ライフプランのこと。現在の収入と支出、金融資産残高を明確にし、ライフプランを基に将来値を予測していくのだ。 この過程と結果から経済面での課題の早期発見が可能となり、資金不足となる場合はプランを修正して現状対応していく。ビジネスパーソンには、PDCAサイクルをイメージするとわかりやすい。 キャッシュフロー表は、将来のお金の不安を課題に変える強力なツールだと言える。 ◆50代男性…これまでになかった「贅沢な行動」が増えた両親 50代男性Aさんの依頼内容は明解だった。 自分の暮らしは順調。田舎の両親も健康で順調だ。近頃は、二人で外食したり旅行に行ったりとこれまでになかった贅沢な行動が増えた。気になって聞くと、何かの一時金が入りそれが軍資金だという。 慣れないことをしたためか、80歳の父親が足を痛めて入院。暫くの間、母親が一人暮らしをすることになった。