「怖くて聞けない」親のお金事情…自分の将来のためにも重要「親のキャッシュフロー表」作成のすすめ
「収入は少なめに、支出は多めに」…キャッシュフロー表作成のポイント
キャッシュフロー表作成にあたっては、家計の把握とライフプランニングが重要であることは既に述べた。家計の数値が正確なほどキャッシュフロー表の精度が増すことは言うまでもない。 数値情報を計上する際に気を付けたいのは、「収入は少なめに、支出は多めに」ということ。毎年の数字が積み重なるため、わずかな誤差も20年、30年というスパンで膨れ上がる。 数字がやや不正確な場合も作ってみる価値はある。キャッシュフロー表でお金の動きを見ることは、とても重要だ。貯蓄残高の山や谷の時期をチェックしよう。山や谷の深さ(金額)は正確でなくても、山や谷の場所(発生時期)がわかれば、貯め時、使い時、頑張り時がわかり、対応策をプランニングできる。 さらに、これからのキャッシュフロー表作成に重要になってくるのが、物価上昇率。上昇率0%のプランと2%のプランを比較すると、結果の差に愕然とする。勤労者の場合、賃金上昇率をどう設定するかがポイントとなる。他にも、住宅ローンの金利や金融商品の収益率など、変動要素はいくつもある。 キャッシュフロー表は1プランを1度作って完了ではない。キャッシュフロー表は指針だ。人生という長い航海の羅針盤に例えられる。情況に応じて見直そう。ライフプランも同じだ。プランニングしたからと言って、その通り生きなければならないわけではない。先ずは、初版のプラン作成にチャレンジしたい。 文:大石 泉 NPO法人日本FP協会認定上級ファイナンシャルプランナー CFPⓇ。キャリアコンサルタント。大学卒業後、株式会社リクルートへ入社。約15年勤務の後、’01年にFP事務所を設立。老若男女を対象に身近な新聞をつかった経済教育、キャリアデザイン、資産形成などの講座や研修を大学、企業へ展開。個人向けには、客観的なファイナンシャルプランニング、ライフ・キャリアプランニングを提供している。金融リテラシーの普及活動が評価され、金融庁と日本銀行から’14年度金融知識普及功績者として評される。
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