災害ボランティア、14万人超える 震災8カ月 要望、いまだ途切れず
能登半島地震の被災地で活動する災害ボランティアは発生から約8カ月で累計14万2665人となり、ほぼ同期間の熊本地震での活動人数11万7924人を上回ったことが県の集計で分かった。能登では当初、活動人数の少なさを指摘する声があったが、現在は全国の有志が災害ごみの運搬や農業の補助などで復旧復興に貢献している。支援を求める被災地の声は途切れず、県は市町や各団体と協力して派遣を続ける構えだ。 【グラフ】ボランティア活動人数 ●「熊本」上回る 県によると、8月21日時点の派遣人数14万2665人の内訳は、県手配分が4万3510人、市町独自募集分が9万9155人。七尾以北6市町別では、七尾市の2万4114人が最多で、珠洲市の2万3203人、穴水町の1万9897人と続いた。 県派遣のボランティアは主に災害ごみの片付けや運び出し、物資の仕分けのほか、いしかわ総合スポーツセンターに設けられた1・5次避難所の運営、田植えの補助や水路の泥揚げなどに取り組んだ。市町独自募集のボランティアも災害ごみの片付けのほか、避難所の支援に当たっている。 能登半島地震では元々脆弱な道路や水道といったインフラが甚大な被害を受けたことで、発生直後は災害ボランティアの受け入れ態勢が整わず、馳浩知事が「能登に来ないで」と異例の呼び掛けを行ったこともあった。このため、当初は人数が少ない状況が続き、被災地からは「人手が足りない」などの声も上がった。 ただ、道路の応急復旧が徐々に進み、気温も上昇した4月以降は参加人数が大幅に増えた。6月中旬には累計11万6973人となり、ほぼ同期間が経過した熊本地震の11万5552人を上回り、その後も月8千~1万人のペースで増加が続いている。 ●「稲刈り助けて」 被災市町では独自に募集するボランティアの受け入れが軌道に乗っており、穴水町や志賀町への県派遣は不定期となっている。 一方、輪島市や珠洲市は2次避難先から応急仮設住宅へ被災者の入居が進んだことなどで、現在もほぼ毎日、片付けボランティアが手伝いに駆け付けている。また、能登の基幹産業を助けるための農林水産業ボランティアは収穫期を迎え、稲刈りや果樹摘み取りの補助を求める要望が相次いでいる。 県の担当者は「需要は鈍化してきているが、片付けや引っ越しなどでまだ助けを求めている人が確実にいる。ぜひ、県の特設サイトに登録してほしい」と話した。