【1日3分間のメンタル強化法 第26回】直感力を磨いて「相手がどこに打ってくるかわかる」ゾーン状態に入ろう<SMASH>
テニス競技はメンタルによって大きく結果が左右されるスポーツです。しかし、メンタルを強化したいけれど「なんか大変そうだ」と敬遠している人はいないでしょうか。 【画像】強靭なメンタルを持つトッププロたちの練習の様子 本シリーズでは一般プレーヤーに向けて、伊達公子氏や浅越しのぶ氏といった日本テニス界をけん引したトップ選手の指導経験を持つメンタルアドバイザー椙棟紀男氏に、簡単に身に付くメンタルの強化方法を伝授してもらいます。 * * * 人間の本質的能力の中に直感力があります。誰もが持っている能力で、使えば使うほど磨かれてくるものだと思っています。 私の周りを見ても、会うたびに新しいアイデアを出す友人がいます。多分その人は「もっといい方法はないのか?」と自分に問いかけ続け、ある瞬間ふいに何かが降りてくる。すなわち「脳のスパーク現象」が起こっているのだと思います。 直感とは、推理や論理的思考ではなく、感覚的に物事をとらえることで「直感が働いた」「直感的におかしいと思った」などの言葉で表現します。直感によく似た言葉に「閃き・発明・グッドアイデア」などがあり、スポーツの世界では「読み・予測」として使われている場合もあります。 「閃きとは1点集中の向こう側にある」と考えています。1つのことに注意を向け続け、脳に汗をかいた後、ふいに降りてきます。「必要は発明の母」と言われますが「この難問を解決するには何が必要なのか?」と考えることから始まります。 メンタリストDaigoさんの言葉を借りると、直感とは脳にインプットされた経験や学習のデータベースから無意識に答えを引き出してくる高速の意思決定のことであり、直感の正体は「なんとなくそう思う」ことなのだそうです。 そこでテニスの場面を想定して直感を考えてみます。「相手がどこに打ってくるかわかる」「なぜか相手のいない所にボールが飛んでいく」「自分が動いた所にボールが飛んでくる」こんなゾーン状態に似た経験をしたいと思いませんか? そのためにはテニス競技そのものを好きになり、駆け引きに興味を持って知識や情報を入手し「何となくそう思ったこと」を実行に移すことが大切です。そして成功と失敗体験を増やすことが、本人の成長と直感力を磨くことになります。 最後に、他人の言動に対してよく傷つく人は感受性が強い、感受性の強い人は直感が強いと言われています。繊細で几帳面な人には朗報ですよ! 構成●スマッシュ編集部 ※スマッシュ2022年8月号から抜粋・再編集