政治資金問題で維新推薦撤回、どうなる2月の京都市長選
任期満了に伴う京都市長選が1月21日に告示、2月4日に投開票される。現職が退任して4人の新顔が名乗りを上げる、主要政党「三極」による混戦が予想されたが、告示直前になって、日本維新の会などが推薦した元京都市議に不透明な政治資金問題が浮上。維新は13日、元市議の推薦取り消しを発表する異例の急展開となった。国政の自民党派閥に生じた政治資金パーティー券による裏金問題で、有権者の目が厳しい背景がある。 主な立候補表明者は元民主党参議院議員の松井孝治氏(63歳)、元京都市議の村山祥栄氏(45歳)、弁護士の福山和人氏(62歳)、元京都府議の二之湯真士氏(44歳)。村山氏に政治資金問題が生じるまで松井氏は自民・立憲民主・公明の3党が推薦、村山氏は維新と国民民主党京都府連、地域政党・京都党などが推薦、無所属「市民派」を謳う福山氏は共産が推薦並みの支援をする構図だった。自民党の二之湯氏は離党。政党推薦はない。 4期で退任する門川大作市長は前回2020年の市長選では門川氏と福山、村山の両氏が立候補。門川氏は公明党のほか自民・立憲・国民民主・社民の各党府連による「オール与党」推薦で勝利した。共産が強い京都では共産以外の国政野党が相乗りで結束してきた。 今回はいったんオール与党態勢から国民府連が抜け、社民府連は自主投票に。国民の府連代表は前原誠司衆議院議員(京都2区)だったが23年11月、離党して新党を立ち上げた。強固な地盤を持つ前原氏は維新とは親和的。支持者が重なる村山氏への国民府連推薦も前原氏が主導した。村山氏には前回は政党推薦がなかったが、今回は維新を軸にした票の伸びを他陣営が警戒。当選すれば維新の特別党員になる手はずだった。 ところが、村山氏の資金管理団体が昨年12月から今年1月に計9回企画した政治資金パーティー(パーティー券1枚2万円)で約4700万円を売り上げたが、うち8回は来場者がなく「架空パーティー」とも疑われた。村山氏は「結果として人が集まらなかった」と疑惑を否定し、購入者には返金を終えた。 維新には京都市長選で勝利し全国展開への足掛かりにとの狙いがあったが、「政治とカネ」に国民の批判が高まる中、村山氏支援に有権者の理解は得られないと急転直下、推薦取り消しを決めた。維新と前原新党は自主投票とする。 国民府連や京都党(創設は村山氏)も推薦を取り消した。国民党本部は代わりに松井氏推薦を決定、同氏支援は4党体制となる。