ノンフィクション作家の髙橋秀実さん死去、62歳…村上春樹さん「アンダーグラウンド」でリサーチャーも
自らの視点や実感を大切にした個性的な作品で知られたノンフィクション作家の髙橋秀実(たかはし・ひでみね)さんが13日、死去した。62歳だった。喪主は妻、栄美(えみ)さん。 【写真特集】追悼・今年亡くなられた方々
1961年、横浜市生まれ。東京外国語大モンゴル語学科卒業。テレビ番組制作会社を経てノンフィクション作家となり、作家の村上春樹さんが地下鉄サリン事件の被害者に話を聞いた「アンダーグラウンド」でリサーチャーを務めた。「素晴らしきラジオ体操」のほか、日本社会の深層に迫った「からくり民主主義」「トラウマの国ニッポン」などの作品で注目を集めた。
2011年、「ご先祖様はどちら様」で小林秀雄賞を受賞。「趣味は何ですか?」や「おやじはニーチェ」など、ユニークな切り口の作品を数多く発表した。日本有数の進学校の野球部に取材した「『弱くても勝てます』開成高校野球部のセオリー」は14年、テレビドラマ化された。本紙読書委員や人生案内の回答者も務めた。
今年9月に校正者の仕事に迫る「ことばの番人」を刊行したばかりだった。10月に胃がんなどで入院していた。