年末年始こそ利益確定と損切りを!金融アナリストが教える基本アプローチと年始に取り入れたい戦略
業績悪化の兆候を見抜くには?
業績悪化の兆候を決算書から見抜くポイントは以下になります。 1.売上高の減少 連続して売上高が減少している企業は業績悪化の可能性が高いです。 2.営業利益率の低下 本業の収益性が悪化しているかどうかを確認します。 3.自己資本比率の低下 財務の健全性が損なわれている場合、企業の経営リスクが高まります。 4.キャッシュフローの悪化 営業キャッシュフローがマイナスになっている企業は要注意です。
(3) 「今この銘柄を新規で買いたいか」を基準に評価する
保有銘柄をゼロベースで評価する習慣をつけることで、冷静な投資判断が可能になります。 「利益が出ている銘柄は利食い(利確)してしまって含み損が出ているからプラスに転じるまでは持っておく」という方もいらっしゃいますが、持ち越すリスクもあります。決算やチャートが悪化している銘柄が翌年回復する保証はありません。 損失が出ている銘柄を持ち続けることで「資金が塩漬け状態」になり、有望銘柄への投資機会を逃すリスクもあります。「もし今、この銘柄を新規に買うか?」と自問し、「No」と判断した場合は売却を検討しましょう。
年末年始に実践できる投資手法「ダウの犬」戦略
自分の投資ルールがなかなか見つからないという方に向けて、年末年始に誰でもすぐ使える簡単な投資ルールとして有名な「ダウの犬」をご紹介したいと思います。 「ダウの犬」はアメリカの代表的な投資戦略の1つで、年初にダウ工業株30銘柄の中から「配当利回りが高い銘柄」を選び、1年間保有するシンプルな手法です。日本市場でも同様に、TOPIX Core30(東証一部の代表的な30銘柄)の中から高配当利回り銘柄を選ぶ手法が有効です。これは「日本版ダウの犬」といわれます。 2025年の日本版ダウの犬の想定銘柄(現時点の配当利回りを基準)は以下です。それぞれの企業について簡潔に説明します。 ・ホンダ(7267) 世界的な自動車・二輪車メーカー。電動化・カーボンニュートラルへの取り組みを加速し、グローバル展開を強化。 ・武田薬品工業(4502) 国内最大の製薬会社。グローバルに事業を展開し、医療用医薬品を中心に新薬開発や収益改善を推進。 ・JT(2914) 国内たばこ市場を独占し、海外展開も積極的。たばこ事業が収益の柱であり、高配当銘柄としても人気。 ・ソフトバンク(9434) 通信事業を基盤に、AIやIoT、デジタル分野へ展開。安定した通信収益に加え、成長分野での投資を強化。 ・三菱商事(8058) 大手総合商社。資源高の恩恵を受け、エネルギーや金属を中心に安定した業績を維持しつつ、新事業にも注力。 ・みずほフィナンシャルグループ(8411) 大手メガバンクの一角。リテールから法人、グローバル市場まで広く展開し、効率化を進めて収益基盤を強化。 ・NTT(9432) 国内通信最大手であり、安定した収益基盤と高配当が魅力。5Gやデジタル領域への投資で成長を目指す。 ・三菱UFJ銀行(8306) 日本最大の金融グループ。国内外での融資事業や資産運用を強化し、業務効率化やデジタル化も進展。 ・トヨタ(7203) 世界最大級の自動車メーカー。電動車・水素車を含む次世代技術に注力し、安定した収益力を誇る。 ・三井住友フィナンシャルグループ(8316) 金融セクターを代表する大手銀行グループ。収益力・安定性が高く、法人向けビジネスやグローバル展開に強み。 ただし、ホンダや武田薬品工業はトランプ政権の政策などで逆風が考えられることで株価が下落し利回りが高くなっているところもあるので要注意。加えてメガバンクが多いのでセクターの分散も考慮して11位の三井物産(8031)、12位の東京海上(8766)なども組み入れてもいいかもしれません。