護憲派の集会に3万2000人 「武力で平和はつくれない」
憲法記念日の5月3日、東京都江東区の有明防災公園で「武力で平和はつくれない! とりもどそう憲法いかす政治を 2024憲法大集会」が開かれた。
護憲派の大集会は今年で10回目。昨年より約7000人多い約3万2000人(主催者発表)が参加した。5日前の衆院3補欠選挙で野党候補が全勝したことから会場には当選者らも顔を出した。 イスラエル軍の侵攻でパレスチナ自治区ガザ地区の人道危機が深刻になる中、現地で医療支援などを行なってきた整形外科医の猫塚義夫さんが大集会に駆けつけ、発言した。団長を務める北海道パレスチナ医療奉仕団を有志らと立ち上げる際、憲法前文にある平和的生存権を理念に掲げたという。 〈われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する〉 「憲法全体を規定するこの前文にこそ、私たちがパレスチナ人たちと気持ちを一つにできる論理がある」 これまで現地を14回訪れたという猫塚さんは、増え続ける死傷者数に触れながら「ガザ地区は『世界最大の天井のない監獄』と呼ばれてきたが、今や『世界最大の天井のない絶滅収容所』だ」と危機感をあらわにした。 さらにイスラエルの軍事力について「戦場で初めてAI(人工知能)を使ったのがイスラエルだ」と述べ「ハイテク軍事大国だが、(パレスチナ自治区への)弾圧を続ける中でハマスの奇襲反撃を誘発してしまった。平和を守るのに武器は必要ない」と訴えた。 「もう一つ言いたいのは人道的なことを言う一方でイスラエルに武器を供給している米国の二重外交と、それに追従する岸田文雄政権のあり方だ」と猫塚さんは語気を強め「日本はイスラエルと準同盟国のような関係にあり、ガザの問題は他人事ではない」と語った。 これを受け、司法試験指導校「伊藤塾」塾長で弁護士の伊藤真さんも「日本の憲法は全世界のことを考え、人々が恐怖と欠乏を免れ、平和のうちに生きることができるよう頑張りますと謳っている。私たちはその使命、責任、役割を果たさなければいけない」と続けた。