護憲派の集会に3万2000人 「武力で平和はつくれない」
安倍政権“負の遺産”今も
秘密保護法対策弁護団事務局長で弁護士の海渡双葉さんは、国会で審議中の経済秘密保護法案(重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律案=10日可決)の問題点を挙げた。保護の対象となる秘密情報について、海渡さんは「概念が曖昧で大幅に秘密指定されるのは自明」と指摘。秘密情報の取り扱いを民間人を含む有資格者に限定する「セキュリティ・クリアランス」(適性評価)制度の導入についても、身辺調査の範囲が薬の服用や飲酒のほか、性的な交友関係にまで及ぶ恐れがあるとして「非常に広範で人権侵害ではないか」と懸念を示した。 罰則規定にも触れ、大川原化工機事件を例に挙げ「経済安保の名のもとに冤罪事件が実際に起きている。『経済安保版秘密保護法案』が通ってしまえばとんでもないことになる」と言い、反対の声を上げようと来場者に呼び掛けた。 群馬県からは「『記憶 反省 そして友好』の追悼碑を守る会」共同代表の川口正昭さんが参加した。県の代執行で撤去された碑は、2001年に県議会で自民党を含む全会一致で採択された請願を受け、04年に建てられた。ところが請願から10年あまり経つと今度は「碑文が反日的だ」などと県に抗議が届くようになり「撤去に傾くようになった」という。 川口さんはその背景に、12年末からの第2次安倍晋三政権以降における歴史修正の動きがあったと指摘。「地方議員も自分の頭で考えなくなり、人々を敵味方に分け、敵には耳を貸さないという安倍政権の政治姿勢と同じになった」と振り返った。碑の設置不許可を「適法」とした裁判所に対しても「憲法と法律にのみ拘束されると、憲法76条に規定されている裁判官が、政府の考えを忖度して驚くような判決を出す機関になった」と苦言を呈した。
平畑玄洋・編集部