アルボン、角田裕毅を封じ込めた“ズルい”ハースF1流ブロック戦術の流行を懸念「ポイントが必要な中団チームなら毎回やるかも」
F1サウジアラビアGPの決勝でハースのケビン・マグヌッセンがRBの角田裕毅らを相手に繰り広げた”ブロック戦術”について、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンは少々ズルいと考えており、他チームも同様の手法を取るかもしれないと懸念している。 【ハイライト動画】F1 2024第2戦サウジアラビアGP決勝 マグヌッセンは決勝で、セーフティカー明けのレース再開時にアルボンと接触してまず10秒のタイムペナルティを受けた。その後角田とのバトルの最中にコース外でアドバンテージを得て抜き返したとして、更に10秒のタイムペナルティが科されることとなった。 これでマグヌッセンに科されたタイムペナルティは20秒。熾烈な中団グループの戦いにおいて入賞を狙う可能性は実質的に潰えたが、ハースはそのマグヌッセンを盾に角田やアルボンを含む後続グループを抑え込み、ステイアウト戦略を取っていたニコ・ヒュルケンベルグを援護する作戦に出た。 マグヌッセンは1周あたり1秒近くスローダウンしつつも角田以下を抜かせずブロック。作戦が功を奏し、ヒュルケンベルグはトラックポジションを失うことなくピットストップを消化し、10位でチェッカーフラッグを受け、貴重な1ポイントをチームに持ち帰った。 ハースの採った戦略には賛否両論ある。アルボンはマグヌッセンとの接触は問題にしなかったものの、角田へのコース外からの抜き返しについては裁定が甘かったと考えている。 マグヌッセンに与えられた接触のペナルティについてmotorsport.comが質問すると、アルボンは次のように答えた。 「あれはフェアだったと思う。少し狭くなれば起こることだし、僕はあのコーナーの形状が好きじゃない。当たるようになっているし、(ドライバー間の)誤認識を招くと思う」 「あそこは最後が出っ張っているから、思っている以上にスペースを空けないといけない。あそこを平らに削れば良いと思うし、その方が簡単だと思う。恨みっこなしだ」 「もうひとつの、ユウキとの10秒ペナルティはちょっとズルい。10秒のペナルティでチームメイトにポイントを保証するようなものだ」 「5秒とか10秒が正しいとは思わない。ポジションを戻して、そのままにしておくべきだと思う。なぜいつもそうしないのかな?」 そしてアルボンは、チームメイトのために他ドライバーたちの前に立ち集団をスローダウンさせるハースの戦術を、他の中団チームも真似るかもしれないと懸念している。 「今回も見られたことだ。ドライバーをひとり犠牲にしてポイントを確保できるなら、どのチームも同じことをすると思う」 「トップチームはやらないかもしれない。でもどんなチャンスでもポイントを取らなきゃいけない中団チームなら、毎回やるだろう」 「チームメイトのポイントを確保するために、そうするドライバーが増えるかもしれないね」
Adam Cooper