徳島市立全15中学に統一ブレザー導入へ 機能性や経済性、性の多様性にも配慮
徳島市教委は2027年度から、市立中学校の全15校で共通の「標準制服」を導入し、男女の上着をブレザーに統一する。詰め襟やセーラー服に比べて通気性が良く脱ぎ着しやすいという機能性の高さに着目。男女のデザインの区別をなくして性の多様性に配慮するという狙いもある。既存の制服との選択制にする方針。市教委によると、県内で標準制服の導入は初めてとなる。 【動画】パワプロ主題歌のボーカルに抜てき! 徳島県美馬市の高校生・藤原美慶さん 11日の市議会本会議で、黒下広宣氏(公明)の個人質問に、田村康治教育次長が答えた。 標準制服のデザインは未定。基本的な仕様として、夏はポロシャツかワイシャツとし、ベストやカーディガンなどを重ねて体温調節できるようにする。スラックスかスカート、キュロットスカートを選べるようにし、ネクタイやリボンなどで学校の区別ができるようにすることも検討する。 全国で制服の見直しが活発化する中、市教委は8月、市内の保護者や教員らでつくる検討委員会を設置。9、10月に市内小中学生や保護者、教員らを対象にアンケートした結果、制服の見直しを求める回答が全体の約7割を占めたことから、機能性が高い標準制服の導入に向けた作業に着手した。学校ごとの差がないため再利用しやすいといった経済的な効果も期待されるという。 今月3日、メーカー選定のための公募型プロポーザルを実施。参加した4社から徳島菅公学生服(徳島市)を選んだ。今後デザインの提案を受け、生徒の意見を反映させるなどして来年9月の決定を目指す。 各校が定める制服は残し、標準制服を選択肢の一つとして加える方針で、実際に採用するかどうかは各校長の判断に委ねる見通し。田村次長は「自分の希望に合った制服を選び、着用することができるよう、学校長に対し標準制服のメリットについて説明を尽くす」と述べた。