夏休みの研修旅行で豊かな中国文化を学ぶ若者たち
【東方新報】史跡から絵のように美しい自然の景観まで、最先端技術のイノベーション基地から伝統工芸の工房まで、この夏、中国各地で研修旅行やエンターテインメント・ジャーニーの企画が急増し、大人も子供も、知識、技術、文化、エンターテインメントを融合させたユニークな体験旅行を味わった。 福建省(Fujian)は無形文化遺産が豊富な省として、地域経済の質の高い発展と無形文化遺産の宣伝を後押しする275の活動を導入し、産地産量が限られ貴重な石とされる「寿山石(Shoushanshi)」の彫刻体験教室、茶葉の主要産地・福建省伝統の「茶文化」研修コース、「薬草研修」キャンプ、竹編み体験など、様々な魅力的な文化遺産研修ツアーを始めた。 また、中国南西部の雲南省(Yunnan)昆明市(Kunming)にある「雲南省博物館(Yunnan Provincial Museum)では、紀元前278年頃から200年近く現地で栄えた「古代ディアン王国(古滇国、Dian)」の生物多様性と魅力を堪能することができる。 その青銅器には、狩猟や動物の格闘の場面など、特に動物をモチーフとしたさまざまな装飾が施され、ディアン王国のユニークな武器や儀式用具も展示されている。 青銅器に表現された豊富な動物の姿は、当時の人びとの自然に対する観察と畏敬の念を感じ取れる貴重な文化的遺物である。 同博物館の韋堅(Wei Jian)副館長は「若い方々は見学ツアーを通じて、文物の背後にある物語を理解することができます。そして中国文化のエッセンスを受け継ぎながら、自己表現をすることができます」と話す。 江西省(Jiangxi)上饒市(Shangrao)信州区にある「信江書院(Xinjiang Academy)」では、子どもたちが拓本や書道など無形文化遺産をテーマとした活動に参加した。 同書院では、語り、歌、演技を通じて物語を伝えるパフォーマンスが特徴の古くからの民間芸能「道情(Daoqing)」の一つで、現地に伝わる「信州道情(Xinzhou Daoqing)」が上演され、伝統的な衣装を身にまとい、民族楽器を持ち、表情豊かなポーズで伝統文化の魅力を十分に伝えていた。演目は、子どもたち向けにアレンジされた「愛する中国」だった。 同書院はまた、教育部門と協力して、拓本などの芸術活動も行っている。拓本作品を完成させるため、子どもたちは彫刻された石版の上にライスペーパーを貼り、水で湿らせてタオルで覆い、小さなハンマーでそっと叩いてから、朱色の墨をつけた小さな筆で、浮き彫りの文字や模様に色付けしていた。 著名な書家でもある同書院の陳之耀(Chen Zhiyao)院長によると、この夏休みの間、5000人近くの学生が研修旅行に訪れたという。陳院長は「新しい時代において、私たちは課外社会教育の役割を担い、文化遺産の継承を確実なものにしています」と語った。 現在、研修旅行は香港、マカオ、台湾、そして海外の華人コミュニティにまで広がっており、中華民族が共有する感情や文化的アイデンティティをつなぐ重要な架け橋となっている。 最近、湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)で「2024年香港・マカオ・ユース・スタディ・ツアー」の開始式が行われた。香港、マカオ、深セン市(Shenzhen)の若者400人近くが12日間の中国本土研修旅行を行った。 このイベントでは、楚文化、三国時代の文化、茶葉を雲南からチベットまで山を越えて運んだ「茶馬古道」、伝統的な漢方薬、科学技術、革命文化など、いくつかの研修ルートが提供された。 若者たちはこれらのツアーを通して、中国の壮大さを体験し、風景の美しさ、文化の豊かさ、中国の発展の成果を体験することができたという。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。