VW、2024年通期業績見通しを下方修正 EVの販売低迷響く
フォルクスワーゲン(VW)グループは、2024年の通期業績見通しを下方修正すると発表した。営業利益は約180億ユーロ(約2兆8600億円)となる見込みで、営業利益率は当初予想の6.5~7%から約5.6%へと引き下げた。売上高も、当初は前年比で最大5%増を想定していたが、一転して同0.3%減の約3200億ユーロ(約50兆8600億円)に修正した。電気自動車(EV)の販売低迷に加え、新エネルギー車(NEV)シフトが進む中国でのシェア低下などが要因とみられる。24年の新車販売は当初、最大で前年比3%増を見込んでいたが、前年比2.6%減の約900万台とした。同社は「各ブランドの開発が当初の期待に及ばなかった」としている。欧州でEVシフトが減速しているほか、中国でのガソリン車の販売減にも見舞われている。 VWは業績悪化を理由に、ドイツ国内の一部工場の閉鎖を検討している。25日には、労働組合との労使交渉を始めた。複数の現地報道によると、労組側は工場閉鎖や人員削減に反発し、12月初旬からのストライキを予告しているという。労組側は7%の賃上げも求めたが、VW側は拒否した。VW乗用車部門の最高人事責任者のアルネ・マイスヴィンケル氏は「ドイツ本社の状況は非常に深刻だ。量産メーカーとして生き残るには、コスト上昇と競争激化に直面している今、将来を見据えた体制を整えることが必要だ」とコメントしている。