<挑む・’23センバツ>仙台育英・東北・能代松陽 戦力分析/中 東北 投打に粘り強さ光る /宮城
◇自主性、前向きな姿勢重視 昨秋の東北地区大会。東北は準決勝までの3試合、すべて先制を許しながらも逆転で勝利をもぎ取った。投打に粘り強さが光る。 ハッブス大起(2年)は身長188センチの大型右腕。140キロ超の勢いのある速球が持ち味だ。昨秋の宮城県大会決勝は、10連覇中の仙台育英を相手に6回無失点の好投。12年ぶりの優勝に貢献した。東北地区大会では走者を背負ってから制球を乱す場面もあったが、「一歩引いて、冷静になる大切さを学んだ」と克服すべき課題はしっかりつかんだ。 「肩や肘を壊さないことが最優先」とのチーム方針で、昨秋の公式戦10試合はすべて継投策を取った。その中で、ひときわ存在感を増したのが、左腕の秋本羚冴(同)だ。130キロ前後の直球に、制球良く変化球を織り交ぜる。「淡々と、冷静に投げることを楽しめたらいい」と話すように、ピンチにも動じないのが強みだ。計30回3分の1を無失点で投げきった。「投手それぞれの良さを引き出したい」と話す捕手の日隈翔弥(同)は、強肩が持ち味だ。 打線は、少ない好機をものにする。東北地区大会の初戦は青森・八戸工大一にサヨナラ勝ち。続く準々決勝の山形中央戦は0―2の八回、7番・伊達一也(同)の二塁打を足掛かりに、2死から上位打線の3連続適時打などで一挙4得点し逆転。一方、福島・聖光学院との準決勝は1点を追う二回、4番・佐藤玲磨(同)のソロ本塁打に大竹響(同)も続き、終盤にはリードオフマンの金子和志(同)が2ラン。長打力も示した。 佐藤玲磨は「練習でも『チャンスに強い』と言葉にしている」。持ち味のパワーを生かすには、自信を持って打席に臨むことが大切だと考えたという。選手の自主性と前向きな姿勢を大切にしながら急成長してきたチーム。「選手個々が一層高い意識で練習し、部員46人で良い思い出を作る」と佐藤響主将(同)。甲子園での悔いの無いプレーを誓う。【藤倉聡子】