それは時間を生み出すプロダクト。業務自動化プラットフォーム「Yoom」代表 波戸崎駿インタビュー
「時間を生み出す」2つのプロダクト
──ではYoomの事業について教えてください。 現在は「Yoom」と「Yoomナレッジ」の2つの事業を行っています。 Yoomはあらゆるクラウドサービスと連携し、業務を自動化するノーコードプラットフォームです。一連の業務をボットが自動化するため、日々繰り返し発生する業務、たとえば書類の発行や議事録制作などが自動化されます。 名刺をアップロードすれば会社名、名前、電話番号などを読み取ってワークフローをつくることも可能です。連携しているアプリは100を超え、ご利用いただいている企業様も8000社(※2024年1月時点)を超えました。 Yoomナレッジは、簡単に言うと社内版Googleのようなもの。たとえば必要な申請の資料がすぐに検索出来たりします。これはシステムから情報が自動的に蓄積されて、検索するとAIが回答してくれるというものです。 「企業で働く人の業務の20%は社内の情報検索に費やされている」という調査レポートもあります。つまり「週5日のうちの1日分」。その無駄な時間を削減するのがYoomナレッジです。 ──これまでに困難はありましたか? 困難だらけです(笑)。 自分のメンタル面での難局は、やはり「M&Aが正しい意思決定だったのか?」ということでした。AutoLineは上場を目指せるくらいに伸びていたので、周囲の経営者からも「なんで売っちゃうの?」と言われることも。かなり思い切った決断だったと思います。でも同時に、決断を「正しかったこと」にしていく覚悟もできました。 もう1つは、組織づくりですね。AIの波が想定よりも3年ほど早く来てしまい、開発量がかなり多くなっています。強い組織、より早く開発できる組織をつくるのが難しいところです。 1つ心がけていることが「口座残高などの推移」を全社員に開示すること。売り上げも経費もすべてです。透明性を高く保つために、そして全員で共通の認識をもって事業に当たるために前社から続けています。 ──事業で目指しているゴールは? 世界的なビジネスオートメーションをつくることです。 Yoomを選んだ何よりの理由が「利用者の個々人が喜んでくれること」。利用者の「時間を作り出す」という、インパクトを社会に与えていきたいです。 ──仕事に取り組む熱意の源泉を教えてください。 非常にシンプルですが、「事業が楽しい」ということ。 ビジネスそれ自体が好きなので、全く苦になりません。ユーザーがYoomでどれくらいの時間を生み出したか、どれくらいのユーザーが使ってくれているか、という数字に向き合うのもすごく楽しいです。 あとは分析するのも好きですね。たとえば飲食店などに行って、従業員がどのように配置されているのかを見て分析して、オペレーションや採用の科学を考えたり。 ──波戸崎さんにとって、リーダーシップとは? 正直、まだわからないところはありますが、「絶対に目標を達成する」ということ。そして逃げないこと。でもまだ模索中ですね。