どんなときも激励の声を掛けてくれた中西太さん。偉ぶることがまったくなかった球史に残る偉大な強打者【伊原春樹の野球の真髄】
豪快なバッティングが魅力だった現役時代の中西さん[写真=BBM]
西鉄ライオンズ黄金時代に主力打者として活躍された中西太さんが5月11日、心不全のため死去していたことが18日に分かった。 私は中西さんが1969年限りで現役引退後の71年に芝浦工大からドラフト2位で西鉄へ入団。レベルは違うが中西さんと同じサード。ともにプレーした経験はなかったが、新人のころ中西さんに激励されたことは覚えている。「伊原、頑張れ」と声を掛けられ、さらに「芝浦工大にヒロセってヤツがいただろ?」と聞かれた。確かに野球部の先輩に、その名前の選手がいた。「2学年上です」と答えると、「俺の甥っ子なんだ」と中西さん。言われてみると中西さんと先輩は目元が似ていたが、そういったつながりもあり、中西さんにはかわいがってもらったものだ。 西鉄のベンチには中西さんの伝説が脈々と生きていた。ファウルチップを打つとボールから焦げ臭い匂いがしたという強烈なスイング・・・
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週刊ベースボール