トランプ氏、唯一残ったアリゾナ州も勝利し激戦7州すべて制す…自宅にこもり閣僚人事検討か
【ワシントン=淵上隆悠】AP通信は9日、米大統領選(5日投開票)で唯一結果が判明していなかったアリゾナ州で、共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)が民主党のカマラ・ハリス副大統領(60)を破ることが確実になったと伝えた。来年1月に就任するトランプ氏は13日、ホワイトハウスでバイデン大統領と会談し、政権移行に向けた準備を本格化させる。 【グラフ】激戦州で相次ぎ敗北のハリス氏、アラブ票失う
アリゾナ州での勝利により、トランプ氏は全体の結果を左右するとされていた激戦7州をすべて制した。全米538人の選挙人のうち、トランプ氏は過半数(270人)を超える312人を獲得し、ハリス氏は226人にとどまった。
選挙人は12月17日、各地で選挙結果に基づいて投票を行う。投票結果は来年1月6日に開かれる連邦議会上下両院合同会議で公式に集計され、同月20日にトランプ氏が4年ぶりに大統領に就任する見通しだ。
一方、ホワイトハウスは9日、バイデン氏が13日午前(日本時間14日未明)に大統領執務室でトランプ氏と会談すると発表した。ジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官は10日の米CBSニュースのインタビューで、「国内と、欧州、アジア、中東で起きていることを含む外交の最重要課題について協議する」と語った。
バイデン、トランプ両氏が直接対面するのは、バイデン氏が大統領選から撤退するきっかけとなった6月のテレビ討論会以来となる。
トランプ氏は6日未明に勝利演説をして以降、公に姿を見せていない。フロリダ州の自宅にこもり、陣営幹部らとともに新政権の閣僚人事などを検討しているとみられる。
9日には、第1次政権で起用したニッキー・ヘイリー元国連大使とマイク・ポンペオ前国務長官について、自身のSNSで「現在検討中のトランプ政権に招くつもりはない」と述べた。2人は過去にトランプ氏を批判したことがあるため、構想から外れたとみられる。