相続がついに発生!…まず最初に入手・届け出るべき「最も重要な書類」とは【相続専門税理士が解説】
大切な親族が亡くなり、ついに相続が発生しました。ショックと悲しみで激しく動揺することになりますが、その後、いくつもの重要な手続きが控えていることを忘れてはなりません。最初に着手すべき、必要な書類の取り寄せ・作成にはどのようなものがあるのでしょうか。相続専門税理士の岸田康雄氏がやさしく解説していきます。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
相続発生時の手続き…まずは「死亡診断書」の取得から
人が亡くなったら、まず最初に病院の医師に「死亡診断書」を作成してもらいます。死亡診断書は、亡くなったことを証明する書類です。亡くなったときの状況によっては、死亡診断書ではなく死体検案書が発行されることもあります。 死亡診断書とセットになっているのが「死亡届」で、亡くなったときに最初に必要になる届出です。火葬許可証の発行や、被相続人の戸籍謄本などに亡くなったことを記載するために必要となる大事な書類です。死亡届には、届出をする人が必要事項を記入します。
死亡診断書の作成費用は「葬儀費用」の扱いにできる
相続の開始は、被相続人が死亡したときからスタートします。ではだれが「死亡」を証明するかというとお医者さんです。被相続人が亡くなったとき、病院の医師が書いた「死亡診断書」が発行されます。それによって被相続人が死亡したことが証明されるのです。 死亡診断書の作成には費用がかかりますが、相続税を計算する際には、その作成費用を「葬儀費用」として債務控除することができます。 この葬儀費用とは、被相続人が亡くなった際に必要な費用として認められ、相続財産から差し引くことができるものです。たとえば、お通夜や告別式の費用、火葬や埋葬料、遺体を搬送する費用、お布施や読経料、納骨費用などがあります。葬儀費用は、葬式費用、火葬費用とお布施、納骨費用を申告することになりますので、これらの請求書や領収書が必要です。お布施は領収書がなくてもかまいません。税理士に金額を伝えるだけで問題ありません。
病院以外で亡くなった場合、死亡診断書はどうなる?
病院で亡くなった場合は、その病院で死亡診断書を用意してもらえます。病院ではなく別の場所で亡くなった場合は、届出人自身が用意しなければなりませんが、死亡診断書の用紙は、インターネットを通じて厚生労働省や各自治体のホームページからダウンロードすることができます。 そして、亡くなったときに最初に必要となるのが「死亡届」です。火葬許可証の発行や、被相続人の戸籍謄本などに亡くなったことを記載するために必要となる、大事な書類です。市区町村役場に届け出るものです。 死亡診断書と死亡届は、通常1枚の用紙になっています。用紙のサイズはA3で、左側が死亡届、右側が死亡診断書となっています。 まず右側にある死亡診断書を医師に書いてもらいます。左側にある死亡届には、届出をする人が必要事項を記入します。ただし、死亡届は、葬儀会社が代行して届出することが多いです。 届出人として死亡届の届出ができる人は、親族、同居人、家主、地主、家屋管理人、土地管理人、公設所の長、後見人、保佐人、補助人、任意後見人、任意後見受任者です。届出ができる親族の範囲は、6親等内の親族、配偶者、3親等内の姻族となっています。 死亡届の届出期間は、被相続人が亡くなったことを知った日から7日以内です。国外で亡くなった場合には、被相続人が亡くなったことを知った日から3ヵ月以内となります。 死亡届の提出できる場所は、被相続人が最後に住んでいた場所、被相続人の本籍地、被相続人が亡くなった場所、届出人の住所地の市区町村役場に限られています。 市区町村役場の窓口では届出人の印鑑が必要となりますので、忘れないように持参しましょう。