インディ500予選2番手パワー、今季の”シルバーコレクター”状態に嬉しい悲鳴?「レースの神に遊ばれているみたい」
第108回インディ500の予選は、シボレーエンジン勢が上位8台を占めた。その中でも、チーム・ペンスキーがフロントロウを独占する圧倒的なパフォーマンスを見せた。 【予選結果】第108回インディ500 しかし2番手と好位置を確保したウィル・パワーは、Sワードを使い「ひどかったよ」と予選を振り返った。 インディ500の予選は4周連続アタックを行ない、その平均速度で争われるが、パワーは1周目に234.128mphをマーク。平均でも233.917mphとかなり速いペースだった。 しかし最後にアタックしたチームメイトのスコット・マクログリンは1周目を最速の234.526mphで駆け抜け、平均でも234.220mphをマーク。これが史上最速レコードとなり、当然ポールポジションを獲得した。 「1周目(のタイム)を見てすぐ、終わりだと思ったよ」と語ったパワー。マクログリンの1周目の速さを見て、すぐにポール獲得の可能性が絶たれたことを悟ったようだ。 2度のシリーズチャンピオンに輝き、2018年にインディ500を制したパワーとって、インディ500のポールポジション獲得はまだ達成できていない偉業のひとつだと言える。 インディカー・シリーズのポール獲得数で歴代トップの70回を誇るパワーだが、17回の挑戦でまだインディ500のポールポジションを獲得していない。 パワーがインディ500のフロントロウを獲得するのは5回目。ただ、今回は優勝した2018年に3番手となって以来のフロントロウだ。 付け加えるなら、彼は今季ポイントを獲得した5レースのうち、3レースで2位フィニッシュしており、2番手スタートとなるのもインディ500で3回目になっているのも奇妙な偶然だ。 「今年は2番手を取り続けているけど、ポールを獲得できるか分からないんだ。変な理由だけど、レースの神様が『ポールの記録は取れるけど、このポールは取れないよ』って言っているんだと思う」 「皮肉だよね。もし(インディ500でポールが取れなくても)この世の終わりではない。ただのチェックボックスのひとつだ。言うまでもなく、レースで勝つほうが大きいよ」 「予選の2日間はとてもストレスがたまる。その年に一番速いクルマを持ち、一番速いチームにいることは本当に難しい。それをすべてまとめるには、多くのことが一致しなければならないし、どのチームを見てもそうだから、とても難しいことなんだ」 「何らかの理由で、1台(マクログリン)が少し速いけど、僕たちのクルマはこれまでで最も接近していると言わざるを得ない。それは、僕たちのクオリティ・コントロールの高さを物語っている」 さらにパワーは、ペンスキーのフロントロウ独占という偉業を称えた。ペンスキーとしては、1988年のリック・メアーズ、ダニー・サリバン、アル・アンサーSr.以来2度目のフロントロウ独占だ。 「先月のロングビーチでは、僕らのマシンのどれかがポールを取るだろうと確信していた(実際には取れずパワーが2番手)」とパワーは語った。 「フロントロウを独占できたのはとてもクールだった。今年2番手になれたのは間違いなく良かったよ」 そしてパワーは、シルバーコレクターと化している現状に、このままチャンピオンになりたいとジョークを飛ばした。 「毎週末、レースか予選で2番手なんだ。だから今季残りのレースもそうなるといいね」 「そうしたらおそらく、チャンピオンになれるだろう。それが一番だから、いいことだよ」
Joey Barnes