航空大手から優遇、豪首相に批判 無料で座席格上げ、野党が追及
【シドニー時事】オーストラリアのアルバニージー首相が就任前、国内最大手のカンタス航空からビジネスクラスへの格上げを無料で提供されるなどの優遇を受けていたことが明らかになり、批判を浴びている。 野党は、こうした優遇が航空政策に影響を与えた可能性もあるとみて、追及を強めている。 ジャーナリストのジョー・アストン氏が近著で、アルバニージー氏がカンタスの高級ラウンジに招待されたことや、運輸相在任時を含む2009~19年に少なくとも22回、追加料金なしでビジネスクラスへのアップグレードを提供されたと暴露。同氏側から当時のジョイス最高経営責任者(CEO)に「電話でアップグレードを直接求めていた」ともつづった。 インフレで高額な航空運賃に国民が苦しむ中、豪メディアはこの問題を連日報じている。ただ、アップグレードの便宜供与は、当局に届け出ていれば法に触れないため、アルバニージー氏は10月末の記者会見で「ルールに従ってすべて申告している」と強調。CEOへの依頼は否定した。 アルバニージー政権は昨年、カンタスのライバルである中東カタール航空が申請した増便計画を却下。この決定を巡り、野党の保守連合は「競争促進よりカンタス保護に動いた」と問題視していた。そこにアルバニージー氏への優遇問題が浮上したことから、保守連合は「議会で調査する必要がある」と主張している。