伊豆大島土砂災害10年で追悼式 死者36人、今も3人不明
死者36人、行方不明者3人に上った2013年の伊豆大島の土砂災害から16日で10年を迎えた。町は防災行政無線で黙とうを呼びかけ、今も見つかっていない3人の捜索を行った。午後からは被災地に整備した公園で追悼式が開かれ、坂上長一大島町長が「追悼と災害の記録を伝承し、多くの犠牲の下に得られた教訓を決して風化させないよう、引き続き全力で取り組んでいく」とあいさつした。 【写真】土砂災害の犠牲者を悼み、ライトアップされた「祈」の文字 15日午後、東京都大島町の「大島町メモリアル公園」
式典では出席した遺族らが慰霊碑に献花した。式典に先立つ捜索には町と都、警察、消防などから約30人が参加。浜辺で漂着物を一つ一つより分けて不明者の手がかりを探した。 伊豆大島では13年10月16日未明、台風による湿った空気の影響で1時間に122.5ミリ、24時間で824ミリという記録的な大雨が降った。島西部の斜面が崩壊、流木を含む土砂が住宅や商店を襲い、海まで到達した。 400棟の建物が被害を受け、うち住宅は50棟が全壊。就寝時間帯で自宅にいた人が多く、計39人の死者、行方不明者が出た。町は避難勧告や避難指示を出さず、自治体の情報発信の課題も浮かび上がらせた。