「妊娠しやすい人」の特徴を産婦人科医が解説 生活習慣は妊活・体質改善に影響する?
なかなか妊娠しないときの原因と対処法 産婦人科・クリニックなど医療機関ではどんな不妊治療が受けられる?
編集部: それでも妊娠しないときは、どうしたらいいでしょうか? 折野先生: 不妊の原因があるかもしれないので、専門の医療機関に相談することをおすすめします。一般的には「妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間(約1年)妊娠しないもの」が不妊と定義されています。ただし、不安であれば1年を待たず受診していただいてかまいません。待っている間にも卵子は古くなっていきますので、ぜひ早めに相談してください。 編集部: 医療機関では何をするのですか? 折野先生: まずは、不妊の原因がないかを調べる検査をします。検査結果や本人の希望、年齢などを考慮した上で、どのような治療をおこなうか検討します。 編集部: 不妊治療では、どのようなことをおこなうのでしょうか? 折野先生: 人にもよりますが、ファーストステップとして「タイミング法」を開始します。その後、排卵誘発剤を用いて卵胞(卵子)を発育させ、排卵を促す「排卵誘発」、そして女性の排卵時期に合わせてパートナーの精子を子宮内に注入する「人工授精」と進んでいくのが一般的です。また、不妊治療と並行して、葉酸やビタミンDなどのサプリメントの摂取を提案することもあります。医療機関でサプリメントを処方してもらうと保険適用外の場合があるので、薬局やドラッグストアの市販品を服用するのでもいいと思います。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 折野先生: 不妊に悩む夫婦は年々増えています。まずは日々の生活やストレスを見直すことから始め、それでも変わらないようであれば、専門家を頼っていただきたいです。適切な検査や治療を提案するので、ぜひ1人で悩まずに相談してくださいね。
編集部まとめ
今回は妊娠しやすい人と妊娠しにくい人の違いや特徴、その理由などを解説していただきました。加齢による卵子の劣化は避けられませんが、日々の生活を見直すだけでも、ホルモンバランスが整って妊娠の可能性が上がるとのことでした。それでも思うような結果が出ない人は、専門の医療機関に相談しましょう。
【この記事の監修医師】
折野 一郎 先生(折野産婦人科) 大阪医科大学(現・大阪医科薬科大学)卒業。その後、大阪医科大学附属病院(現・大阪医科薬科大学病院)、市立ひらかた病院、高槻赤十字病院などで勤務医として経験を積む。2011年、大阪府枚方市に位置する「折野産婦人科」の院長に就任する。日本産科婦人科学会専門医。母体保護法指定医。