五輪V3の野村氏がリオ五輪柔道の金メダル個数を「5、6個」と予想
だが、野村氏は、3度の金メダル獲得者だからこそ口にできる警鐘も忘れていなかった。 「今回は、五輪初出場の選手が多い。世界チャンピオンはいるが、毎年行われるようになった世界選手権と4年に一度のオリンピックでは大きく違う。4年に一度の舞台で勝つには特別な力が必要になってくる。その特別な力がなければ、金メダルが5つ、6つから減るかもしれない。それでも3つ、4つは取って欲しいと思う」 先日、野村氏は、井上監督から要請を受け、男子のリオ五輪代表の宮崎合宿を訪れて特別講演を行い、五輪心得を説いた。「世界選手権と五輪は違うもの。いくら自分がいつも通りにやろうと思っても、周りがそうさせてくれない。誇りと喜びを感じて、強い心を持って戦ってもらいたい」と訴えかけた。 4年に一度の五輪は、特別な舞台。2015年の世界選手権(アシタナ)では、男子3つ、女子3つの金メダルを獲得して、復活の兆しの出てきた伝統ある日本の柔道だが、決して油断はできないのである。 また野村氏は、リオ五輪全体での注目選手として、五輪4連覇を狙う女子レスリングの吉田沙保里(33、フリー)、伊調馨(32、ALSOK)の2人の名前を挙げた。 「五輪で4連覇を果たしたのは、カール・ルイスを含めて2人だけ。おそらく2人共に4連覇を果たすと思う。目の前でその瞬間を見たときに、どんな感情を抱くのか。それが楽しみ」 ちなみに五輪の4連覇は、走り幅跳びのカール・ルイスと、円盤投げのアル・オーター(いずれも米国)の2人しか成し遂げていない偉業である。