フィデリティ投信の「割安成長株」「USハイ・イールド」「USリート」、ボトムアップで狙う投資機会は?
フィデリティ投信は5月16日、「旗艦3ファンド メディア・ブリーフィング」を開催した。同社を代表するファンドである「フィデリティ・世界割安成長株投信(愛称:テンバガー・ハンター)」のポートフォリオ・マネージャーであるサム・シャモビッツ氏(写真:左端)とモーゲン・ペック氏(写真:中央の左)、「フィデリティ・USリート・ファンド」のポートフォリオ・マネージャーのスティーブ・ビューラー氏(写真:中央の右)、「フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド」のポートフォリオ・マネージャーであるアレキサンダー・カラム氏(写真:右端)が揃って来日した機会に、それぞれのファンドの運用の現状等を説明した。これら旗艦ファンドは、それぞれに複数のコースの合計であるマザーファンドベースで残高が8000億円を超える巨大ファンドとなり、日本を代表するようなファンドになっている。
「フィデリティ・世界割安成長株投信」の運用チームは、「フィデリティ・日本割安成長株投信(愛称:テンバガー・ハンター・ジャパン)」の運用も担っている。モーゲン・ペック氏は、愛称に「テンバガー(10倍化株)・ハンター」と名付けているファンドの特徴である成長余力の大きな割安株を発掘するにあたって最も重視しているのは、「クオリティ(品質)」と強調した。「柔軟性があり、社会の変化に対応して持続的な成長ができることが重要だ。価格決定力があるなど優れたビジネスを展開し、キャッシュフロー創出力が高いこと、健全なバランスシートを持っていることなども大事だが、何より経営陣が適切な資本配分を行い資本コストを上回る資本利益率をあげていこうという意志と実現能力を持っているかということがポイント」と語った。そして、「2年ほど前から米国をアンダーウエイトにして、日本、アジア、欧州、英国などに資金を振り向けている」と語った。
共同運用者のサム・シャモビッツ氏は、アナリストとして日本株の調査に携わってきた経験があり、日本株についての理解も深いが、「日本の中小型株に投資機会が多い」と語っていた。日本の企業は、資本効率化改革や株主還元の強化に向かっており、それが株式価値の向上につながっているが、日本の中小型株は数が多いために、企業の変化が株価に織り込まれずに割安になっているケースが少なくないという。そして、「英国の金融など欧米の金融に割安な銘柄が多い」、「中国、台湾、韓国、インドなどアジアにも魅力的な銘柄は多い。情報技術関連やエネルギーなど、これまで注目されてこなかった分野に強力な投資機会がある」と語り、ボトムアップ調査によって魅力的な銘柄を割安に投資できているという。