【清水】北川航也主将「チームが勝つためにプレー」20日山形に勝てばJ1自動昇格圏内確定
エースがJ1に導く。J2清水エスパルスは20日、ホームで山形と対戦する。勝てばJ1自動昇格圏の2位以内が確定する一戦の前売りチケットは完売。主将のFW北川航也(28)はチームの勝利を最優先した上で「得点に絡むことにはこだわる」と、結果で引っ張る覚悟を示した。現所属メンバーで16年のJ1昇格を唯一経験している生え抜きが、満員の本拠地で主役になる。 ◇ ◇ ◇ 舞台は整った。清水は山形に勝てば、無条件でJ1昇格が決まる。大一番を2日後に控えた18日は静岡市内で調整。フルメニューをこなした主将は仲間の思いを代弁した。「みんなの顔やプレーを見ていると、モチベーションが高いのが分かる。勝てば決まるというのは、分かりやすい」。 前節水戸戦は3位長崎の結果次第で、昇格は「条件付き」だった。試合は2-2のドロー。2点を追う劣勢から引き分けに持ち込む粘り強さは見せた。北川は「この前の勝ち点1を意味あるものにするためには次勝つことだけを考えたい」。自身も後半2分に今季11号をマーク。ゴールへの感覚も研ぎ澄まされている。 ただ、最優先はチームの勝利。主将に就任した今季は特にその思いが強かった。「チームが勝つためにプレーしたい」。FWは結果が求められるポジション。もっとも、ゴールは狙い続けるが、前線からの守備や仲間を生かすことも忘れない。勝利につながるプレーをした先に結果もついてくると信じている。 中学1年から下部組織で育った生え抜きは今年でプロ10年目を迎えた。クラブが初めてJ2を戦った16年はまだ20歳の若手。昇格を決めたアウェーでの最終節徳島戦はメンバー入りするも出番はなく、ベンチから歓喜の瞬間を迎えた。現所属メンバーで当時の昇格を経験した選手は北川ただ1人。若手だった8年前と立場は変わった。「エースで主将」として、チームを引っ張る覚悟はある。 北川は言う。「あの時と気持ちは同じだし、モチベーションも同じ。チームに貢献したいという気持ちは変わらない」。今週は母校の駿河総合高校書道部から全選手と監督のキャッチフレーズが書かれた作品を送られ、クラブハウス内に掲出された。高校の後輩たちもJ1復帰を願っている。既に前売りチケットは完売。今季16戦無敗(13勝3分け)を誇るホームでは心強いサポーターもいる。「最後は気持ちだと思う」と北川。クラブに関わる全ての人の思いを背負い、90分間走り続ける。【神谷亮磨】 ◆清水の山形戦でのJ1自動昇格条件 次戦で2位以内の自動昇格が決まる可能性がある。条件は(1)清水が山形に勝利すれば、無条件で昇格が決定(2)清水が山形に引き分け、3位長崎が秋田に引き分け以下(3)清水が山形に敗れ、長崎も秋田に敗戦、となる。