「自派閥もなく、まともな側近もいない」 石破首相の「多数派工作」の行方は… 「私だったらノイローゼに」
「自派閥もなく、まともな側近もいない」
無論、それも石破首相の多数派工作の行方次第だが、 「こういう交渉事では側近の働きが極めて重要になります。石破さんの意をくんで根回し・調整をしてくれる存在が必要なのです」 先の青山氏はそう語る。 「岸田文雄前首相の場合、木原誠二前官房副長官という側近がいて、二人は毎晩のように会い、木原さんは岸田さんのための裏方仕事をやっていました。一方、石破さんの側近といえば、赤沢亮正経済再生相くらい。しかし彼には寝業のような根回しは期待できません」 石破首相は有能な側近不在のまま、不安定な政権運営を迫られるわけだ。 「自派閥もなく、まともな側近もいない中、自分自身で全てを考え決断しなければならない。私だったらノイローゼになります」(久米氏) 先の政治部デスクが言う。 「例えば、秋の臨時国会で審議される補正予算案などは、能登の復興対策など、成立に反対する理由がないものが多く、石破政権としても乗り切るのはそう難しくないでしょう。しかし、来年の通常国会で審議される本予算はそうはいきません。本予算を乗り切るには、国民民主党の政策を“丸のみ”する必要が出てくるかもしれません」
「石破降ろしが」
“丸のみ”とまではいかなくとも、 「予算案を通すため、トリガー条項の凍結解除など、国民民主党の要求をいくつか受け入れる可能性はあると思います」 政治アナリストの伊藤惇夫氏はそう語る。 「ただ、石破政権が来年の参院選まで持つかは極めて微妙な状況です。もし支持率がV字回復すれば別ですが、そんなことは考えられません。とすると、石破では参院選を戦えないという声が高まり、石破降ろしが起こる可能性があります」 首相在任期間“史上最短”は免れそうだが、政権運営の迷走は避けられまい。 前編【「余計なことをしてくれたな」 自民党議員が“実名”で石破首相を徹底批判 「責任を取るのは当然」】では、、現役議員らが実名で語った石破首相批判の言葉を紹介している。 「週刊新潮」2024年11月7日号 掲載
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