うっ、嘘だろ…年収740万円・43歳サラリーマン、息子が「名門私立中高一貫校」に合格に歓喜も、2年後に聞く「長男の衝撃告白」に呆然
名門私立中高一貫校を辞めたいという息子の想い
たとえば慶應義塾大学の場合、中学校は3つ、高校で5つあります。中学校から高校への進路に一定の道筋がありますが、高校からの内部進学率は高く、95%を超えています(慶應義塾の場合、付属校ではなく一貫教育校といいます)。進学できる学部は成績順などで決まり、最難関学部の医学部は各校に定員の3%ほどが割り振られ、成績トップの生徒が進学します。 早稲田大学の場合は、中高4校のほか、高校は早稲田大学本庄高等学院など3校があります。中学・高校には付属校と系属校があり、付属校は「早稲田大学高等学院」と「早稲田大学本庄高等学院」の2校。推薦枠はどちらも約100%。系属校は経営母体が大学とは異なり、推薦枠は、「早稲田実業学校高等部」は約100%、「早稲田高等学校」は約50%などまちまち(関連記事: 『〈早稲田大学〉を目指した中学受験組の親子「内部進学」の落とし穴に仰天)』 )。 一流私大の内部進学といってもいろいろとありますが、拓海さんが通う学校では、希望学部に進学できるかはさておき、ほぼ100%内部進学可能。そのあたりもきちんとリサーチのうえ、第一志望を決定。森さん、抜かりはありません。 しかし、拓海さんが中学2年生を終えるころ、突然の告白がありました。 ――お父さん、お母さん、高校は別の学校に行きたい 子どもがエリート街道に乗ることができたと安心しきっていた森さん夫婦には寝耳に水。学校生活では勉強も部活も頑張って充実している様子。特に懸念することはありませんでしたが……「ちょっと疲れちゃんだよね、学校の雰囲気が」というのが拓海さんの主張です。 ほぼ内部進学で大学までいけるとはいえ、常に高い学業成績が求められるため、精神的なプレッシャーが大きかったよう。小学校では常にトップでしたが、名門校では下位クラス。周囲との比較からストレスを感じることが多かったようです。また名門校では特定の層の子どもたちが集まります。似た者同士……これを良くとらえるかは、悪くとらえるかは人それぞれ。拓海さんは地元の公立中学校に進学した旧友たちの話から、多くの刺激を受けていたよう。今いる環境が狭苦しく感じてしまったようです。 そんな息子の主張に、呆然としてしまったという森さん。一方で妻は、どこか思い悩んでいる息子の姿をみていて、その選択を尊重してあげたいというスタンス。家族のなかで、すでに2対1。最終的に森さんも応援するといいつつも、いまだに納得がいかないといいます。 あんなに苦労した中学受験の日々は何だったのか……思わず遠い目をしてしまうといいます。 [関連資料] 東京都教育委員会『令和5年度公立学校統計調査報告書』 厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』