“ランドクルーザー70”が注目を集める理由とは〈圧倒的な“ホンモノ”に激烈な人気! もはや新車だけじゃない〉
基本的な設計はそのままに、40年も世界で販売されているレジェンド
この70系は基本設計はそのままに、2024年の今日まで、じつに40年も世界で販売されてきています。 ただし、日本国内では、1または4ナンバーの商用車登録だったランドクルーザー70は、その乗用車規格車から派生したランドクルーザープラドに後を任せる形で2004年に一度は販売を終了。その後、2014年に期間限定で30周年記念車が再販されて、あっという間に完売。そして2023年11月、3ナンバーの乗用車規格となってふたたび日本の土を踏むと、またまた人気が大爆発して、新車を注文しても数年待ちという状況が続いています。 ちなみに初期の70系は、MTのディーゼルエンジン車がメイン(ATもあったが少数派)でしたが、2014年の限定車はV6、4LのガソリンMT車で、全車1ナンバーの普通トラック/バン登録。4ドアのほかにダブルキャブのピックアップも設定されました。現在販売中の再販車は4ドアボディのみで、2.8LのクリーンディーゼルエンジンにATの組み合わせ。駆動方式は全世代の全車が、自分で2WDと4WDを切り替えるパートタイム方式となっています。
中古車市場ではプレミア価格で取引中、1000万円を超える個体もアリ
2024年夏現在の中古車市場には、欲しくても買えないランドクルーザー70の登録済み新車(いわゆる新古車)が、法外なプレミア価格で流出しています。新車価格480万円に対して、1000万円のプライスボードを掲げるクルマが珍しくありません。 それにともなって、数十年落ち、走行距離数十万kmという“大古車”も、とんでもない値で売られています。ざっと中古車の専門サイトを見ても、1990年代の走行20万km車が300万円以上しているのです。 その値のぜひはともかく、これだけの人気を呼ぶ理由が、ランドクルーザー70の“ホンモノ感”にあることは間違いないでしょう。
最新モデルも近代化は最小限。〝安易に変えてはいけないクルマ〟として、互換性を最優先
トヨタの社内でも、ランドクルーザーシリーズは、ランクルひと筋何十年という専門エンジニアの手で開発されています。世界中を巡ってランクルの使われ方を熟知した彼らだからこそ実現できる機能性能が、世界での評価を支えています。 その開発者に話を聞くと、ランドクルーザー70というクルマは「安易に変えてはいけないクルマ」なのだといいます。 日本では、水深70cmの渡河を前提に設計されたこのクルマでなければ行けない場所はほとんどありませんが、地球上には、セダンでは到底走れない、埃やぬかるみが待ち受ける砂漠や道なき道しかないジャングルを数時間走らなければ医者にもかかれない土地がいくらでもあり、そこではランドクルーザー70の走破性や信頼性は、まさに命綱だといいます。 そして、多くの場合貧しいそれらの土地では、一台のランドクルーザー70のボディが朽ち果てて廃車となっても、足まわりやブレーキなどの部品が大切に保管されて別のランドクルーザー70に移植され、人々の命を救うのです。