台南のフェス『浪人祭Vagabond Festival』に行ってきた(後編) YELLOW黃宣、Gigantic Roar巨大的轟鳴…印象的だった4組
<土井コマキのアジア音楽探訪 Vol.10> 10月5日(土曜日)と6日(日曜日)に台湾の南方の街「台南」で開催された『2024浪人祭Vagabond Festival』に行ってきました。前回は、コンセプトについて紹介しましたが、今回は、初めて観て印象的だったアーティストを何組がピックアップします。 【写真】YELLOW黃宣、Gigantic Roar巨大的轟鳴…『浪人祭Vagabond Festival』の模様
YELLOW黃宣
まずは、YELLOW黃宣。以前から気になっていたんです。台湾の音楽関係者に「誰が気になる?」と聞かれて「YELLOW黃宣」と伝えると、「やっぱり??」と全員に言われました。バックヤードで、やたらオーラのある人がいて、もしや……と思っていたら、やっぱり本人だった! まずはビジュアルからしてインパクト大。めちゃスタイリッシュでクールです。私のラジオ番組にゲストで来てくれたこともある日本のSSW/プロデューサー・春野と去年コラボ曲「Paris feat. YELLOW黃宣」をリリースしたので、ご存じの方もいらっしゃるかと。そのステージたるや、フルバンドを従えてダイナミック! MCのたびに笑いが起きたりしていて、エンターテイナーなんだなと肌で分かりました。実際、台湾の『紅白歌合戦』とも言われる 『超級巨星紅白藝能大賞』にてキャプテンを務めたこともあるとのこと。それって本物のエンターテイナーの証ですよね。この日は、女性シンガーの9m88とお互いのステージにサプライズで出演しあったり、さらにラッパーの呂士軒Trout Freshもゲストで登場したり、豪華に盛り上げまくるステージでした。ちなみに「ちょっと待って」って突然日本語で言うの。しかも何度も。なに? なに?
Gigantic Roar巨大的轟鳴
初日の劍獅ステージのトリだったGigantic Roar巨大的轟鳴。SNSに「めっちゃLeo王に似すぎ~」「いや本人だって」「え? なんで?」「そもそもこのバンドのボーカルだったんだよ」というやりとりも見られたバンド。お恥ずかしながら、かくいう私も一致していなかったのですが、2012年に高雄で結成され、来日公演の経験もあるほど勢いがあったそうです。活動休止中に、バンドのボーカルだった王志佑がLeo王としてソロ活動を始めたら、めちゃくちゃ人気のラッパーになったんですね。そこに、今回の活動再開、その最初のステージが『浪人祭』だったわけです。長い間休止していたので、Gigantic Roar巨大的轟鳴を知らない人もいれば、待ってましたと大興奮の古参ファンもいて、そりゃあ盛り上がりました。一言で言うと、私くらいの年齢の人にとってはちょっと懐かしさも感じる胸熱なミクスチャーバンドで、演奏のグルーヴがすごい! 一気にファンになってしまいました。Gigantic Roar巨大的轟鳴で劍獅ステージがビシッと締まったあと、隣の鯤鯓ステージで大トリの草東沒有派對No Party For Cao Dongが始まるという、全ロックファン感涙のタイムテーブル。組んだスタッフ、ガッツポーズだろうな。