タリバン閣僚が爆発で死亡 ISが犯行声明、テロの抑え込みに苦慮
アフガニスタンの首都カブールで11日、イスラム主義組織タリバン暫定政権のハリルラフマン・ハッカーニ難民相が爆発に巻き込まれて死亡し、敵対する過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。タリバンはISの掃討作戦を進めてきたが、抑え込みに苦慮している。 IS系のアーマク通信は、IS戦闘員が難民省の内部に侵入し、ハッカーニ氏が事務所から出てくるところを待ち構えて爆発物を起爆させたと報じた。自爆攻撃だったとしている。アフガンメディアによると、タリバン側もISによる攻撃だったと認めている。 タリバンは国内でISの脅威を抑え込んだとしているものの、タリバン幹部や外国人を狙ったテロ事件は依然として発生している。2023年1月には首都カブールの外務省の前で爆発があり、少なくとも市民5人が死亡し、ISが犯行声明を出した。アフガンに拠点を置くISの分派「ISホラサン州」(IS―K)は、24年3月にロシアのモスクワ近郊のコンサートホールで起きた襲撃事件も実行したとみられている。 ハッカーニ氏は、タリバン内の強硬派で米国がテロ組織に指定する「ハッカーニ・ネットワーク」の幹部だった。タリバンのムジャヒド報道官はX(ツイッター)で「卑劣な攻撃」だとして非難する声明を発表した。【ニューデリー川上珠実】