横綱行き、出発進行! 「大の里電車」お披露目 中、高過ごした新潟で運行
大相撲の新大関大の里(津幡町出身、二所ノ関部屋)が28日、中学、高校の6年間を過ごした新潟県糸魚川市の糸魚川駅で、自身の写真などで装飾されたラッピング電車のお披露目セレモニーに出席した。横綱昇進を果たした場合は、綱を締めた姿などに写真を差し替える構想もあり、大の里は「上へ上へと(番付の)進化を重ね、この電車が進化できるよう頑張りたい」と決意を示した。 ●欧勝海の写真も ラッピング車両は母校海洋高の最寄り駅である能生(のう)駅などを通る「えちごトキめき鉄道」で今後2年間走る予定。大の里、欧勝海(津幡町出身)ら同校出身の関取4人の写真が使用されている。 糸魚川駅ホームには新大関を一目見ようと約500人が集まり、電車が滑り込んで大の里や欧勝海が車両から降りると、「大関、こっち向いてー」と歓声が上がった。乗車後、大の里は「自分がプリントされた電車に乗るのは不思議な感覚だけど、うれしい」と笑顔を見せた。 ●苦手力士は「親方」 道の駅マリンドリーム能生で行われたイベントでは花の植栽や餅つきなどでファン約3千人と交流。鳴戸親方(元大関琴欧洲)や海洋高相撲部の田海哲也総監督らも参加したトークショーでは、大関昇進伝達式での口上に「唯一無二」という四字熟語を使った裏話も披露した。 幕内優勝を決めた14日目の21日夜、海洋高の恩師に電話で口上について相談し「お父さん(中村知幸さん)もよく言っている『唯一無二』がいいのでは」と言われ、採用したと明かした。当初は口上については「白紙」としていたが、実は優勝決定時から練っていたようだ。 苦手な力士を問われると、ちょっと間を置いて「親方です」と返答。この日は不在だった師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)を挙げ、会場の笑いを誘った。 欧勝海は「今年最後の場所を良い成績で終われるように頑張りたい」と意欲を示した。鳴戸親方は大の里について「大関は通過点だ」と評価した。