建設業の深刻すぎる「人手不足」解消に必要なこと…「一括請負方式」の生産システムを見直せるか
CCUSは、技能労働者の処遇改善を実現するためのツールとして民間事業者が費用を負担して導入された。ゼネコンの建設現場では入退場ゲートに顔認証システムを設置して、職人の就労状況を管理することも珍しくなくなった。住宅などの小規模現場での活用は進んでいなかったが、ここに来て当初はCCUSに消極的だった住宅業界でも登録する動きが出てきているという。 建設業界でも、技能労働者の情報がオープンになると、優秀な人材を引き抜かれるなどと懸念して、CCUSの利用に後ろ向きの声も少なくなかった。しかし、労働者不足が深刻化な地方の公共工事発注や災害復旧などではCCUSを、技能労働者を適正に配置するためのプラットフォームとして活用していくべきだ。さらにCCUSを活用しながら技能労働者を計画的に育成し、欧州のように技能労働者を相互利用していく仕組みを構築していくことも必要だろう。
今後、ますます深刻化していく建設業の人手不足をいかに解決していくのか――。その構想力が求められている。
千葉 利宏 :ジャーナリスト