護摩行に滝修行。プロ野球の珍自主トレに効果ある?
プロ野球の自主トレをほとんどの選手が打ち上げ、いよいよキャンプインが目前に迫った。今オフの自主トレも、ハワイ、グアム、アメリカなど温暖な海外で行ったケースや、球団の枠を超え、出身高つながりの先輩、後輩などでタッグを組むなど様々なパターンが行われていたが、中には異例の精神修行も。 広島の新井貴浩内野手(38)は、鹿児島県鹿児島市の烏帽子山最福寺で、火傷も辞さない熱風を浴びながら般若心経を唱える護摩行に耐え、DeNA・石川雄洋内野手(29)は、東京の西多摩郡檜原村にある「龍神の滝」で、気温3度、水温マイナス3度の極寒の中、ふんどし姿で滝に打たれた。 新井の荒行は12年目で、元々は阪神の金本新監督に誘われて始めたもの。「護摩行をやったから打てるというわけではないが、苦しく痛い行を耐えることで、何か苦しいことがあったときに乗り越えるための大切なものを得ることができる」という。護摩行は、日ハムの中田翔、現役時代の清原和博氏も経験している。 石川も、「メンタルにムラがあるので、苦しい時やつらい時に、そこを乗り越えられるヒントをつかみたかった」と、滝行に挑んだ理由をメディアに語っている。滝行も、過去に阪神時代の藤田太陽や、もっと前には、ドカベンの愛称で親しまれた故・香川伸行らが挑んだ例がある。 自主トレでの精神修行や様々なアイデアトレに果たして効果はあるのだろうか? プロ野球は、勝負の世界だけあって各チームともにキャンプイン時や、開幕前には球団行事として、神社参拝、必勝祈願を行うが、個々に願をかけたり、占いに頼ったり神社仏閣へのお参りを欠かさないという選手は少なくない。スポーツには、多少なりとも運不運が伴うため、“神頼み”や、精神世界に何かを求めようとするのも当然の流れかもしれない。 名将と呼ばれた野村克也氏から「プロの世界に来る選手の実力はほぼ変わらない。なのに成功する選手としない選手が生まれるのは、平常心でプレーできるかどうか。特にピッチャー。マウンドで恐怖心を払拭できるかどうかという精神の強さが大きく結果を左右させる」という話を聞いたことがある。 どんな名プレーヤーでも、いかに精神を鍛えるかを永遠の命題としていて、古くは“打撃の神様”故・川上哲治氏の座禅が有名で、西武時代の石毛宏典氏は、自主トレ期間に、岐阜県土岐市の窯元で、ろくろを回して焼き物を作ることで精神集中をはかっていた。一種のメンタルトレーニングとしての精神修行。選手個々の受け取り方次第だろうが、選手によっては、その効果は絶大なのだろう。 では、メディアがこぞって飛びつく、珍自主トレはどうなのだろうか?